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〜能登半島地震からの教訓 〜未来を育む力を考える〜〜 (令和6年3月) |
日増しに春めいてまいりました。地域の皆さま方及び関係者各位におかれましては、日頃からのご支援ご協力に対しまして、心から感謝申し上げます。 1月末に岸田首相の施政方針が出されました。そこではまず、能登半島地震に関して、地元自治体、自衛隊、全国からの警察・消防の派遣部隊、医療・福祉、道路、電力などの緊急対応チームなどから支援に携わる人たちに対する「絆の力」に敬意を表されました。 この「絆の力」は日本人の伝統的な強みであると同時に、今後はデジタル、官民連携などで「新たな力」として期待されています。また経済では企業の「稼ぐ力」を、外交では「人間の尊厳」を訴えられています。結びとして、未来に向かう「確かな力」を確信すると表現されています。 能登半島地震ではいくつかの教訓があると感じています。まず備えの点検です。この度は道路が遮断されたことによる救援の遅れや、初動期の支援のあり方、被災地が孤立化した際の対策、高齢化が進む過疎地で起こった際の共助のあり方等があります。 またこの度は特に避難所での生活が長期化することは避けられそうになく、被災者支援にも持続力が問われています。企業やNPOなど民間力を生かした持続性の高い支援体制の構築が急務となります。 さて、医療や介護分野で「85歳問題」への懸念が高まっています。複数の病気や認知症があり、介護も生活支援も必要となる85歳以上人口が2036年に1000万人を超えると見込まれる一方、現役世代は急減する状況を指しています。これからは診療所、病院、福祉施設の垣根を超え、地域全体で高齢者を支える仕組みや、地域の実情に合わせた資源を有効に活かす工夫が求められてくると思います。 例えば人材に関しては、シニア層のやりがいや働きがいある環境により職場の活性化や生産性向上を促すと共に、シニア社員向けの能力開発、職業訓練が、企業経営の持続力としてのバロメーターになると信じてやみません。 「人生会議」を「地域福祉会議」と置き換えて、自分にとってや地域社会にとって大切なことは何かを考え、これまでに協力しあってきた仲間たちと、いざという時の方針について話し合い、「未来の力」を育むことは大切なことであると思います。 令和6年3月1日 理事長 山口浩志 |