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〜ソチ五輪アスリートに学ぶ〜 (平成26年3月) |
風は肌寒いのですが、日差しは春を思わせる時期となりました。地域の皆様には日頃からのご支援ご協力に心から感謝申し上げます。 世界中を沸かせてくれたソチ五輪が閉幕しました。本大会では、15歳の中学生の平野歩夢選手から、41歳で7度目の出場の葛西紀明選手まで、多彩なチームジャパンでした。 中でも、史上初の男子フィギュア金メダルを獲得した羽生結弦選手の活躍は、出身地である仙台の被災地の人たちにとっては、今後の大きな活力となったでしょう。 今月で、3.11東日本大震災から3年が経ちますが、まだまだ宮城県、福島県などでは、仮設住宅から出られない人たちも多く、住宅復興には時間がかかっているようです。 医療の分野でも、4月からの診療報酬改定を間近に控え、病棟再編にも拍車がかかり、高齢者の住まいの確保はこれからも重要課題のひとつです。 また、福祉の分野では、全国に一時期、お泊りデイサービスが促進されていましたが、広島県福山市で起きた、「お泊りデイ」での、高齢者に対する暴行事件は、私たちにとっても衝撃的な事件でした。厚生労働省によると、12年度に施設内で起きた虐待事件は、表に出た数字だけでも155件で、要因は様々でしょうが、知識不足や感情コントロールができなかったなど、これからの課題として禍根を残しました。 一方、全国には空き家が急増していると聞きます。国交省の統計によりますと、約756万件あり、郵便物がたまったり、放火犯を生み出す原因にもなったりと、問題が多いようです。 今後は、古民家に住みたい人たちなどに住みやすくするための施策に取り組むことを検討しているようです。 適切なマネジメントで費用をかけなくても解決できることはこのあたりでもたくさんあると思いますが、ただし考え抜く力や、やり抜くための対話がこれからは必要だとも思います。 アメリカの生物学者ロブ・ブイエー氏が書かれた「テラプト先生がいるから」は、ある新任教師が、ある日突然に事故に遭い、意識不明になります。そこで、そんな先生に対して生徒たち一人一人が先生について語りあうのですが、その過程で生徒たち同士がお互いを評価しあい、次々と新たなる発見をしていくという物語です。 この度のソチ五輪では、数々の感動もさることながら、新たな取り組みに対してあきらめない心や、未来の可能性に挑戦する勇気をも教えたもらえたように思えます。 今月もスタッフたちや地域の皆様と共に意見交換し対話する機会も設けながら、新たな挑戦に向けて頑張りたいと思います。 平成26年3月1日 理事長 山口 浩志 |