|
|
|
〜父の日月間と論語の教え〜 (平成26年6月) |
さわやかな初夏の季節となりました。地域の皆様方には、普段からのご協力ご支援に心から感謝しています。 総務省人口減少問題検討分科会が、先月に人口の将来将来予測の発表がありました。この度の推計で注目されるのは、将来的に(2040年)人口減少により、行政サービスが成り立たなくなる自治体が900近くあり、また予測中20位以内に本県2自治体がエントリーされていました。このまま何もしないと、全国で4分の1の自治体が消滅してしまう危機にあります。 経済財政諮問会議で、「選択する未来」委員会が設置されており、そこでは、人口減対策として、女性の就労支援や70歳まで働ける雇用環境の整備などの検討に入っているようです。 それに反して、厚労省のデータでは、虐待事例や認知症患者の増加に加えて、最近発表のあった統計として、精神科患者調査で、うつ病などの気分障害患者数が、約95万8000人で、15年前の2.2倍に増加していることが判りました。 また、多死社会と言われる昨今、特養の看取り事例は09年度の1万2500件から12年度は2万2500件と、約1.6倍増えており、終末期の支援のあり方もこれからますます問われるところでしょう。 6月第3日曜日は父の日です。 スラム街で貧困者のための施設「トインビーホール」を興した「セツルメントの父」アーノルド・トインビーや、孤児事業専念のために、医師の道を断念した、岡山孤児院を創設した、「児童福祉の父」と言われる石井十次は、今も私の尊敬する偉大なる社会事業家です。 孔子の教えの中に、「仁を問う。曰く。仁者は難きを先にして獲るをあとにす。仁と請うべく。」とあります。新しいプロジェクトは大変なことではあるが、先に苦労しないと大きな成果は得られない。目先の利だけを追ってはならない、と意味しているそうです。 父の日月間において、歴史上語り継がれている様々な医療・福祉の父を思いおこすことで、私たちのこれからの暮らしのあり方を考え、スタッフたちと力を合わせて前進してまいりたいと思います。 平成26年6月1日 理事長 山口浩志 |