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〜新しい時代の地域福祉を創る〜 (平成26年9月) |
秋浅い今日この頃、地域の皆様方におかれましてはは日ごろからのご協力ご支援に心から感謝いたします。 先日発生した、広島県安佐南区・北区での土砂災害では、多くの犠牲者が出て、また県内でも那賀町が災害に見舞われ、今もなお復興作業に追われているとのことで、心からお見舞い申し上げます。 さて9月は、世界アルツハイマー月間で、本県でも「認知症対策普及・啓発推進月間」とされ、様々なイベントや講演会があるようです。今もなお認知症患者は増えており、社会問題となっておりますが、一方では平均寿命も延びており、14年厚労省白書によると、男性が79.5歳、女性が86.3歳です。また健康な期間とされる健康寿命はといえば、男性70.4歳、女性73.6歳と出ています。 医療費膨張や少子社会が問題になっており、財政難が浮かび上がっておりますが、制度ばかりに頼らずに、地域で新しい支え方を考えようという独自の運動にも広がりがみえます。 例えば、東京都足立区では、「孤立ゼロプロジェクト」を始めています。他人との接触が少ない人に対して、区が登録した住民ボランティアさんが定期訪問したり、困ったときの相談相手になって、橋渡しをするという活動です。 このように、今後はNPOやボランティアの人材づくりや支え合い方について、より一層地域で意見を交わして深めていかねばならないでしょう。 そうした互助の力は、時には災害救助の力となったり、地域からのSOSに応える支えになっていけるはずです。 フランスの作家ジャン・ジオノの書いた「木を植えた人」は、高地アルプス山脈のむき出しの荒れ地に、約40年にわたって木の種を植え続けた老人の話です。 老人が植え続けたことによって、やがてその地は、山全体が緑に囲まれ、自然が生まれ、豊かさが生まれた、という物語です。 すぐに成果が出なくとも、着々と努力を積み重ねることの大切さを教えられます。 福祉の担い手として、これからも地域に互助の種を植え続けていきたいと思います。 平成26年9月1日 理事長 山口 浩志 |