|
|
|
〜地方創生を考える〜 (平成26年10月) |
紅葉だよりが聞かれる時期となりました。地域の皆様方には日頃からのご協力ご支援に心から感謝します。 国政では第2次安倍内閣が「地方創生」を旗印に掲げスタートしました。一方、厚労省の発表では、2012年度に虐待を受けて死亡した子どもが51名となり、また認知症で身元不明のまま保護されている人が本年5月時点で、全国で35名いるとのことです。人口減少に加えて、こうした現実の中で地方活性化へのかじ取りは決して生易しくはないでしょう。 そこで、今月においては、明るい話題があります。 60歳以上の方々を中心とした全国健康福祉祭(ねんりんピック)とちぎ大会が10/4から開催されます。本県からも毎年約150名が参加されていますが、今年はこれまでの感謝の意もこめて、当法人から選手団のユニフォーム協賛企業として参加させていただきました。 これからの地方創生に向けては、シニア世代の参画はなくてはならないだけに、この度の選手の皆様方には、そのはつらつとしたプレーを、若い世代の人たちへもぜひ発信していただきたいと期待します。 これまでは、若い世代が高齢者を支えてきた時代でしたが、今後はある意味では高齢者の人たちが若い世代を支える時代になってくるのかもしれません。 19世紀後半頃、貧困問題を解決するために、英国ではバーネット、米国ではコイルやギルドが主となり、スラム街で共に暮らし、支えていくというセツルメント運動が展開されました。これは施しを与えるのではなく、自立した生活を取り戻すことがねらいとされましたが、昨今の虐待や認知症問題は、個人レベルの他に、コミュニティの貧困が考えられないでしょうか。 かつて、戦前から阪急電鉄や宝塚歌劇団など、数多くの事業を興してきた小林一三氏は、「木端微塵」が口癖だったそうですが、既存の枠組みを破壊して、道なき道をつくることで、次世代の子どもたちに明るい未来を見せなければならない、と語っていたそうです。 「地方創生」は国に決められることではなく、私たち自身が世代間交流しながら、地域の活力を引き出し、実現できる道のりだと思います。 平成26年10月1日 理事長 山口浩志 |