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〜組織づくりと人づくりが経営の鍵〜 (令和6年11月) |
菊薫る季節となりましたが、地域の皆さま及び関係者各位におかれましては、日ごろからのご指導ご協力に心から感謝申し上げます。 イスラエルの作家、アモス・オズは結末の違いから、悲劇にはシェークスピア型とチェーホフ型があると考えていました。シェークスピアの悲劇には「正義が勝つ」という伝統があります。一方、チェーホフの方は「結末では誰もが失望して幻滅し、悲嘆に暮れる」といわれます。オズは「戦いを終わらせるには、両者が苦しみながら妥協するしかない、どちらかが100%の満足を得ようとする限り、もう一方の抵抗は続く。」そしてまた「善意や想像力、勇気が鍵となるであろう」と加えています。また、「臆病者の指導者が罪のない人々を苦しめることになる」と結んでいます。 国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、65歳以上の高齢者の人口がピークを迎えるのは2043年で、約4千万人。その約10年後に75歳以上の後期高齢者は約2500万人に達するとあります。医療や介護にあてる社会保障費は、24年度時点で137.8兆円だが、 厚労省や財務省などが18年に公表した試算では、40年度に約190兆円まで膨らむそうです。 更に出生率の低下が止まらず、支え手の割合は減っていくことになります。 今の時点での対策の一つとして、現役世代だけでなく、高齢世代にも支え手としての負担を求めていく「全世代型社会保障」と支払い能力に応じた「応能負担」が考えられています。 一方地域課題としては、これまで取り上げられてきた保育運営が転換期を迎えているようです。 特に人口減少が進む地域では保育園の役割を広げて、高齢者や障がい者施設などとも連携し、地域の機能を集約することで、共生型地域づくりへの道のあり方が問われてくるでしょう。 これらの事から、私たちが今後考えねばならないこととして、まず社会全体の困りごとは何か、地域のご高齢者や障がい者(児)が望んでいることで福祉経営としてできることは何かという視点を深めることが大切なことだと思います。そのためにも、常に地域の変化と向き合い、職員一 人一人が積極的に果敢にチャレンジ精神にあふれるような職場づくりと人づくりに努めていかなければなりません。オズの理論を教訓とし、100%解決にならなくても臆することなく、これからも職員一同と共に勇気をもって最善を目指して邁進し続けてまいります。 令和6年11月1日 理事長 山口浩志 |