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〜徳を残す仕事〜 (令和6年9月) |
天高く馬肥ゆる季節となりました。地域の皆さま及び関係者各位におかれましては、日頃から のご支援ご協力に心から感謝申し上げます。 菜根譚に、「業を立てて種徳を思わざれば、眼前の花偽り。」とあります。事業を興しても後々のために徳を残すことを思わなければ、それは単なる眼前の花(あだ花)である、と解釈されています。あだ花とは、実を付けずにはかなく散ってしまう花の意味です。 すなわち、仕事は利益を追求すること以外に、規模の大小は別として、その仕事が社会に役立つかどうかも大切であるという意味です。 「高齢社会対策大綱」が改定され、企業などで働く高齢者の厚生年金を減額する「在職老齢年金」の見直しを求めています。報告書では、65歳以上で就業する人が増え続けていること を踏まえ、超高齢社会となる中で、若年世代から高齢世代まで全ての人が「支える側」にも「支えられる側」にもなれる社会を目指すことを提案しました。骨太方針の議論の中でも経済財政諮問会議の民間議員は「高齢者の定義を5歳延ばすことを検討すべきだ。」と提言。背景には、働き手不足への危機感があります。 内閣府の試算では、70代前半の労働参加率は2045年度に56%程度となります。世論の声は、「悠々自適の老後は存在しない。」との意見が目立つだけに、「元気で意欲のある人が働きやすい環境を整えたい。」と説明しています。 例えば、好きな時間に日替わりの現場で短時間働く「スキマバイト」が高齢者にも広がっています。背景には高齢者の「働きにくさ」と社会の人手不足があるでしょう。アプリ運営会社では、今年3月時点で65歳以上の登録者数は約5.1万人と、1年間で2.1倍に増えています。 一方では、大学生の娯楽にかける費用がバブル期並みの水準に回復しているようですが、博報堂生活総合研究所の「生活定点」によりますと、バブル期の若者は車やブランドを購入する「モノ消費」が主流でしたが、令和は参加型イベントなど「トキ消費」を重視しているようです。 リアルのその時しか味わえない盛り上がりを楽しむ嗜好に変わっているようです。 人口減少、超高齢社会を生き抜く今、私たちの為すべきことの一つとして、後世に徳を残せられるよう、真のNPOの花を咲かし続けていけるよう努力してまいります。 令和6年9月1日 理事長 山口浩志 |