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〜新年にあたり有事を生きる道を描く〜 (令和3年1月) |
新春の候、寒気厳しく本格的な冬の到来を迎えております。関係者各位におかれましては日ごろからご協力ご指導を賜り心から感謝申し上げます。 今年の干支は、辛丑(かのとうし)です。「辛」は痛みを伴う幕引きと「丑」は殻を破ろうとする命の息吹き、そして希望を意味します。 次年度の介護報酬改定は、0.7%と、障がい者福祉サービス報酬は0.56%引きあげられると発表がありました。これは新型コロナウイルスの感染拡大による利用控えなどで介護事業所の経営悪化が広がっている現状が影響していると考えられます。また人材不足については、雇用情勢が厳しくなった製造業や飲食業、小売業などからの発掘が糸口になるのではないかと予想されます。 一方、企業は2030年までに国際社会が実現すべき17の開発目標を定めたSDGSに乗り出す準備にかかっています。例えば、キリンHDは、「キリングループ環境ビジョン2050」を策定し、生物、資源、水資源、容器包装、気候変動の4つのテーマを設けた取り組みに着手しています。 また、資生堂はメイクの力でがん治療の副作用ややけどの跡があるなど、肌に悩みを抱える人たちを支援したり、聴覚障害者向けに自身で化粧できる「ガイドメイク」を開発したりと、本業を通じた社会貢献に注力しています。これからは医療や介護分野も「共生」と「個の力」をキーワードとした取り組みが必要となります。 すなわち、それぞれの力を組み合わせた仕組みづくり(共生)と、地域の中で存分に力を発揮できる人財(個の力)の育成で、未来の可能性を創り出すことが求められてくるのです。 「精出せば凍る間もなく水車」は、江戸時代の俳人 松本珪琳氏の句です。滔々(とうとう)と流れる水に沿って回る水車は、厳冬の中にあっても凍ることはありませんが、水車がいくら精を出して回ろうとしても水の流れがなければ回りません。したがって精を出すのは回る事でなく、水の流れに沿うということです。 時代の流れに沿い、人材を活かせられる新しいNPOのしくみづくりで有事を乗り越え、地域に貢献できるよう頑張りたいと思います。 本年もよろしくお願いします。 令和3年元旦 理事長 山口浩志 |