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〜ウェルビーイングという新時代の価値観〜 (令和2年7月) |
暑熱耐えがたきこの頃、スタッフの皆様におかれましては日常からの現場でのご努力に感謝 申し上げます。 予防医学研究者である石川芳樹氏の論文で、ウェルビーイングを提唱されている寄稿がありました。そこには、医学の先にある新時代の価値観を見出そうとする思いが込められています。 ウェルビーイングとは、「最適な状態」と訳されています。正確には、「幸福」と「満足」を掛け合わせた意味といわれます。そこでは幸福とは、日々の体験と密接に関連しており、満足とは、そういう日々の生活をどのように評価するかと説明されています。 社保審介護給付費分科会が2か月ぶりに再開されましたが、いくつかの議論の中でも、私が注目したところでは、「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会」があります。そこでリハビリに対する今後の課題としてあげられたのが、「生活リハビリの活動と参加の拡大」、「地域共生」「本人の尊厳」「主観的幸福感と健康感」があげられていました。 リハビリすることによって本人の抱える孤独や不安を拭える要素は何か、何をもって幸福感を取り戻せるかが、リハビリ目的に必要になるのではないかと解釈しています。いわゆるウェルビーイングの考えをリハビリメニューに取り入れるということではないでしょうか。 島根県雲南市に、ショッピングカンパニーという企業がありますが、ここでは買い物で介護予防を図る「ショッピングリハビリ」の展開を進めているようです。高齢福祉事業とスーパー等の商業関連との連携事業で成り立たせようとするアイデアだと思います。 また、コロナ問題で顧客が激減したタクシー会社が、飲食店と連携し、タクシーで料理やお弁当を宅配するサービスがあるようで、買い物に行けない高齢者の安心につながり、在宅生活が成り立っている人たちから喜ばれているそうです。 このように、ウェルビーイングを成立させるためには、未曽有な事態でも何か打つ手はあり、どこかに希望の灯があることを教えられます。 法人としても、今後どんな状況に遭遇したとしても、持続的に成長させるためにも、規制概念にとらわれず、刷新していく姿勢で幸福感健康感を追い求めていきたいと思います。 令和2年7月1日 理事長 山口浩志 |