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〜本格化する地域包括ケアシステム〜 (平成29年10月) |
天高く馬肥ゆる秋、地域の皆さま及び関係者の皆さま方には、日頃からご支援いただきまして心から感謝申し上げます。 冒頭の言葉は、秋は空気も澄んでいて、空も高く感じられ、馬も肥えるような収穫の季節という意味で使われていますが、私たちにとっても、現場で上半期にまいた種を、下半期の収穫に結び つける大切な時期です。 住み慣れた地域で最後まで暮らせる地域包括ケアシステムづくりの節目である同時改定の議論が本格化しています。 現状として、医療の課題のひとつには、医療機関での高額な治療が増え続けていることがあげられています。事実、16年度は前年度比3割増で過去最高だったようです。 後発薬品利用にいたっても遅れているようで、特に本県では59.7%と、全国平均70.6%を大きく下回っているようです。 一方、厚労省が発表した16年人口動態統計では、在宅死の割合が13%で、前年度からは0.3ポイント増えており、同時に特養待機者は、16年4月時点で全国約36万6千人と、前回調査13年度に比べると3割減ったようです。ちなみに本県では、全国最少の1161人にまで減少しているようです。 今後は更なる将来ビジョンへの具現化に取りかからねばならないでしょう。 そこで、本県では医療介護での人手不足に関する解決策として、介護助手養成制度や、県看護協会事業としての、看護師離職者に対する復帰研修等は、独自の考案として期待がかかります。 他県でも埼玉県では、介護施設職員を対象に、終末期に寄り添え、看取りの担い手となれる人財を養成する研修事業があります。このような取り組みは今後も全国的に広がるかもしれません。 地域包括ケアの理念でもある住民による支えあいには、そうしたことに対しても、地域の中で情報を共有化することも必要なことかもしれません 孟子は東洋思想の中で、「先義後利」を説いています。すなわち、義を優先すれば、結果は伴うという意味ですが、法人としても地域包括ケアの実現と同時に、安心と幸福感を感じられる地域づくりへの道のりを模索しながら、実りある事業に向けて歩み続けたいと思います。 平成29年10月1日 理事長 山口浩志 |