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〜高齢社会とウェルビーイング〜 (令和5年6月) |
すでに夏の気配が感じられる季節となりました。地域の皆さま及び関係者各位におかれましては日ごろからの法人運営へのご指導ご協力に対しまして心から感謝申し上げます。 国立社会保障・人口問題研究所は、長期的な日本の人口を予測した「将来推計人口」を公表しました。2056年に人口が1億人を下回り、59年には日本人の出生数が50万人を割るという数字が出ています。人口規模を保てなければ国力は縮みかねません。人口減社会を前提とした経済成長の維持を目指す施策が急務となります。そのためにも、現役世代への高度な負 担を避けながら急増する高齢者にしっかり寄り添うために、効率的な医療や介護の仕組みを追求しなければなりません。 また、65歳以上人口がピークを迎える20年後の2043年、医療と介護の必要性が増す75歳以上は総人口の2割を超過します。中でも要介護認定率が約6割に上る85歳以上は10 00万人近くに増える見通しです。 他方、生産年齢人口(15歳〜64歳)は今後20年間で約1400万人減ります。22年版厚生労働白書によりますと、40年時点で医療・福祉人材は96万人不足する見込みです。 今回の推計が突き付けるのは、今を生きる多くの成人にとって、人口減少がほぼ確定した未来だということでしょう。こうした現実に向き合い、縮小する社会で生活や文化、経済活力を守 る手立てを早急に考える必要があります。 「老年的超越」概念を提唱した、スウェーデンの老年学者ラーシュ・トーンスタ氏は、幸せな人は不幸な人より7年〜10年寿命が長いそうで、免疫力が高く、健康的だそうです。幸せ な心の状態があれば、利他的にもなり、創造性が高まり、生産性も高まるそうです。言い換えると、利他性、創造性、生産性が高い人は幸せになるといわれています。 また、90歳を超える高齢者は、自己中心性が低下し、死の恐怖が減り、時間と空間を超越する傾向があるそうで、高い幸福感を感じると説明されています。 本来ならば、高齢社会は苦しくマイナスなイメージではなく、人類にとってみれば、幸せな気持ちにならねばならないと思います。そうすれば、それを目指す社会をつくることができ、幸せ世界一になれると思います。 令和5年6月1日 理事長 山口浩志 |