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〜「働く」意味を考える〜 (平成27年11月) |
野山の様子もすっかり変わってきました。地域の皆様及び関係機関の皆様には、日頃からのご支援とご協力に心から感謝しております。 11月は勤労感謝月間です。「勤労感謝の日」には、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。」ことを意味しているようです。特に、農業国家であった日本には、収穫物に感謝する祭典としての新嘗祭があります。 そこで、今月は「働く」ことについて考えてみたいと思います。内閣府の男女共同参画白書(平成24年)によれば、平成9年以降、「共働き世帯数」が「片働き世帯」を超え、徐々にその差が広がっているそうです。また、雇用形態や国籍、性別、価値観、働く時間や場所という観点で、「働き方」はますます多様化しているといえるでしょう。 「働く」を辞書でひくと、「職業としてあるいは生計を維持するために一定の職に就く。」とありました。一方、「傍(はた)を楽にすること」や「自分を成長させる場」、「人とつながる場」という表現もあります。 日経新聞社がまとめた、平成28年度採用調査では、内定者数は増えたものの、業種にはかなりばらつきがあり、住宅や外食、医療、介護では、採用計画に届かない企業も多く、業種間の人材争奪が激しくなっているそうです。 課題山積の労働の売り手市場の中にあっても、若年性認知症患者や、精神障碍者、ニートと呼ばれる若者、子育て中の人等、働きたくても働き場が見つからない層があることも見逃してはなりません。シニア世代の就業場所を提供するシルバー人材センターでは、コンビニや外食産業、高齢者介護現場などと職域を広げ、社会貢献活動に力を注いでいます。 「ミクスドカルチュアを持った組織は強い」は、ラグビーW杯の日本チームのエディ監督の信念でした。ニュージーランドは勤勉を、英国系移民選手には献身的に価値観を貫く心が、また先住民マリオ系選手には闘争心、とそれぞれの文化を背負ったプレーで活躍されたようです。日本には、決めたことを責任をもって遂行する我慢強さが本質的に備わっていると定評があったようです。 勤労感謝月間をむかえるにあたって私たちも、自分たちの背負っている文化や価値観を照らし合わせ、「働くこと」について見つめなおす機会としてみたいと思います。 平成27年11月1日 理事長 山口浩志 |