|
|
|
〜元祖七転び八起き〜 (平成30年5月) |
青葉の目にしみる季節となりました。地域の皆様及び関係者の方々におかれましては、日頃より法人運営に対しましてご協力賜り心から感謝申し上げます。 歴史を振り返る時、その過程でどれだけの人たちの力が注がれてきたかを知ることができ、時には勇気さえ与えてもらえることがあります。 江戸幕末動乱期、女子に学問は不要とされた時代がありました。たいていの女性は時代の風潮に従いましたが、家族からも読書さえ禁じられながら、「自分がルールを破るしかない。」と強い信念で抵抗し、後に日本女子大学や大同生命の創設にまで携わった広岡浅子氏がいます。 NHKの朝ドラ「あさが来た」のドラマにもなった方です。 彼女が61歳から定期的に投稿した執筆文をまとめて九転十起生(きゅうてんじっきせい) のペンネームで「一週一信」を発刊したのが1918年でした。今からちょうど100年前の ことです。 そして時は流れ、1995年に阪神大震災が勃発。多くの人が被災地にかけつけ、「ボランティア元年」とも呼ばれ、その後福祉や教育、環境活動、まちづく等、同じような考えや志をもつ市民の実践が原動力となり、1998年4月にNPO法が成立されました。今年で丸20年となります。 今、介護保険料の引き上げが広がっています。制度が始まった2000年の全国平均は2911円でしたが、2018年には月額6000円を超える自治体が4割増えています。 また、高齢者の身の回りを世話する生活援助については規制がかかり、生活援助平均利用回数以上の介護計画は市町村に届け出なければならなくなります。 産業全体からみても、2017年度の国内企業の倒産件数は前年度比1.6%増の8288件で、中でも深刻な人手不足による建設、製造、運輸、通信などの業界で倒産が増えているようです。 幕末から明治への激動の時代を生き抜いた浅子氏は、傾いていたいくつもの経営を立て直しされた実績から「七転び八起き」を超える困難を幾度となく味わい、自らを「九転十起生」と命名されたそうです。 様々な激動の時代を生き抜いた先人の生きざまから、NPOの理念や情熱を思いおこし、激動の福祉時代を乗り越えてまいります。 平成30年5月1日 特定非営利活動法人どりーまぁサービス 理事長 山口浩志 |