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〜活路を拓く〜 (平成24年6月) |
さわやかな初夏の季節です。スタッフの皆様には日常生活でのご活躍に感謝しています。くる日もくる日もテレビや新聞では、増税論議や社会保障と税の一体改革が是々非々騒がれています。 老人福祉の分野では、厚労省と国交省との共管により、今後10年間でサ高住を60万戸設置を謳っており、本年度もこの分野で、350億という驚異的予算がつけられています。毎年6万戸の設置という、かなり早いスピードで計画が進められています。 また訪問介護分野においては、今後「定期巡回サービス」や「介護看護複合サービス」などを含め、事業モデルのシフトが求められるでしょう。通所介護や小規模多機能ケアは、自分たちの特徴、すなわち立ち位置(レスパイと型Orリハビリ型等)を明確にする必要があります。訪問看護分野では、高齢者ケアのみならず、NICU病児や緩和ケアと、多機能的取り組みが期待されてくるでしょう。 厚生労働省は、先月6月1日に政府が進める健康づくり運動「健康日本21」の第2次計画(2013〜2022年度)を発表しました。そこでは、生活習慣病の予防や心の健康など、5分野53項目の目標を設定し、介護が必要なく自立して元気に過ごせる期間を示す「健康寿命」を延ばす目標を初めて盛り込みました。 ちなみに本県は、医療機関整備率は全国トップクラスですが、健康寿命は男女ともに全国最下位クラスという不思議なまちだということが統計からわかりました。 昨今、「幸福観」が話題となっていますが、自分たちは何から手をつけ、どう考えて生きていくべきか、目標の定まりにくい時代ですが、最近私自身は、禅語の「前後裁断」という言葉をよく考えます。これは、江戸時代に沢庵禅師が説いたことですが、過去はどうあがいても変えられないし、未来は心配しても仕方ない。「前」と「後」を絶ち、今に最善を尽くせ、という教えです。ちなみに、この言葉をたくさんのアスリートたちも座右の銘にしているようです。 不安定な時代だからこそ、自らにあっては日々心の清掃をきちんとして、積極的に前後裁断を意識していくことで新しい考えや、明るい活路を切り開いていきましょう。 平成24年6月3日 理事長 山口 浩志 |