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〜「新しい認知症観」における寄り添い方を考える〜 (令和6年10月) |
長かった残暑もようやく一段落した様子ですが、地域の皆さま及び関係者各位におかれましては、日ごろからのご支援ご協力に心から感謝申し上げます。 イギリスでベストセラーとなった絵本で「わすれないでね/ずっとだいすき」があります。認知症の祖母キャサリンと孫の“ぼく”との生活を描いた物語です。そこでは5分前のことを忘れてしまうキャサリンが「今日はなんの日?」と言えば、“ぼく”はさりげなく寄り添って「きょうはきょうだよ。」と答える。また「おかしいわね。わたし5分前のこと覚えてないの。」と言えば、“ぼく”は「きっとつまらなかったんだよ。」とやさしく教えてあげます。ある時、キャサリンは“ぼく”が自分の孫であることに気づき大きなショックを受けますが、“ぼく”は“ぼく”のままで同じように大好きなキャサリンを笑顔で見守ります。まさに認知症の人への寄り添い方の基本です。 我が国では今、認知症の人を含めた共生社会を目指し、「認知症基本法」がまとめられています。そこでは「新しい認知症観」として、当事者が支え合う「ピアサポート」活動への支援や当事者の意思尊重や社会参画を促す対策などが設定されており、秋頃には都道府県や市町村での基本計画が進められる予定です。 これまでも認知症予防対策として、例えばエアロビクスや体操、ストレッチなどを組み合わせ、更に栄養指導等も取り入れたりし、記憶力や集中力の低下防止につながっている報告が全国各地で発表されているようです。今後はこうした好事例を参考として、全国各地でこうした認知症予防につながる小地域での取り組みが進められていくことに期待がかかります。 そのためにも地域での良質な介護サービスの継続は、高齢期の暮らしの安心に欠かせぬインフラとなりえます。それだけに介護人材の不足は、高齢期の暮らしを揺るがすだけでなく、親の介護のために仕事を辞めたり、減らしたりする人や、ヤングケアラーとなり学業に影響したりする子どもを増やしかねない要因ともなりえます。対策は待ったなしです。 冒頭の絵本に登場する“ぼく”は毎日キャサリンに会いにいきますが、彼女にとってはいつも「久しぶり」。当事者への理解や共生社会の実現のための寄り添い方の大切なヒントが、この絵本の中に数多く盛り込まれているのかもしれません。 令和6年10月1日 理事長 山口浩志 |
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