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〜令和時代のNPOとしての扉を開く〜 (令和元年10月) |
秋たけなわの好季節となりました。地域の皆さまや関係者各位におかれましては、日頃からご指導ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。 BSテレビで、蜘蛛の糸を熱心に研究されている研究者のドキュメンタリー番組がありました。 本研究に長年かけているそうなのですが、そもそも蜘蛛の糸とは、タンパク質からできており、これまで2種類の細胞から成り立っていると知らされていました。ところが研究を進めるうちに37種類のタンパク質が存在していることが判明されました。このことで、人工蜘蛛の糸の開発が現実 的になってきたようです。 この研究が進み、新しいタンパク質の素材が開発された際には、手術用の糸が今より柔軟で強固な素材に改良されたり、警察の防弾チョッキが軽い素材に開発されたりと、幅広い可能性に結びつくのだそうです。 目の前の問題の解明は、未来への幅広い分野の可能性が広がることがある、ということを教えてくれています。 介護労働安定センターの就業調査によりますと、現場で働く人のうち、65歳以上の割合が12.2%にのぼります。ここでは、高年齢のベテラン層に機会が広く開かれていることや、異業種からのセカンドキャリアに就く人等の活躍の場として選ばれているとの分析です。 一方、軽度利用者(要支援認定者)の訪問介護やデイサービスが自治体事業の総合事業に移行して2年半となりますが、地域格差も発生しており、事業者側は採算があわず、総合事業から撤退するところも増えています。今後は地域住民自身が「自分たちが元気で暮らすためには何か必要か」を考えることが重要でしょう。 大阪市阪南市の「阪南市介護者の会」のように、介護者でつくる自助グループを立ちあげて、支える側同士で話し合って支え合うことで、気持ちが楽になったり、解決の糸口を見つけられたりしている地域もあるようです。 私たちも、今だけの問題にとらわれることなく、これから迫りくる課題にも目を向けながら、地域の個々の問題解決に手を差し伸べていかねばなりません。そして、常に個人や地域の伴走者としての役割を担っていけるNPO法人であり続けたいと思います。 令和元年10月1日 理事長 山口浩志 |