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今月のことば
              
              〜全員参加型企業を目指して〜

 秋暑のこの頃、スタッフの皆様には日頃からそれぞれの現場でのご活躍に、またチームワークづくりに対して心より感謝いたします。

 先日第95代新総理として、野田佳彦氏が就任されました。わが国のこの荒波航海の舵取りが野田新政権のもとでいかに乗り越えられるか、他産業分野で働く人たちや、高齢者、障がい者の人たち、また被災地で齟齬されている人たちなど様々な方面から期待が寄せられているところです。また、県内の経済界からも、「山積する課題解決に向け、与野党の協力体制構築が不可欠」(県中小企業団体中央会長粟飯原一平氏)「反対を押し切ってでもやり抜く高い志で国民が希望の持てる将来像を!」(県経営者協会長柿内慎市氏)等々〜8/31徳新記事より〜、地方経済の立て直しには待ったなしの強いリーダーシップの発揮が求められています。
 
 日本の直近の歴史を振り返ってみると、‘80年代後半、ちょうどバブルの始まる前、世界的に「21世紀は日本の世紀」ともてはやされていました。しかし、今思えば多くの企業では、やれベンチャー投資だ、やれ多角化だと、表面的華やかさに走り回った中で、臭いっものにはフタをするように根本的問題は先延ばしにされ、中身はお粗末極まりない経済の状態だったでしょう。
 
 米国では改革の旗手レーガン大統領が登場してから10年近い施行が続き、イギリスにおいても「小さな政府」施策で有名なサッチャー首相が断固たる改革を実らせるまでには40年とも50年ともいえる「帝国の没落の歴史」があります。

 そういうことをふまえて、わが国でも経済だけでなく、医療や福祉を支えてきたのは、繁栄の後からついてきた政治家たちだけでなく、現場で悪戦苦闘の中、泥まみれの精神で数々の苦難を乗り越えてきた人たちでないかと確信します。そして今、私たちが目の前でかかわらせていただいている高齢者の方や、障がいを抱えて苦しまれている人たちこそかつては日本経済を支えてきた旗手たちではないかと思います。そしてその方々から私たちはバトンを受け、これからの日本経済に元気を取り戻さなければなりません。
 
 野田新総理の掲げる「フロンティア精神」(開拓者精神)、「全員参加型野球」を企業として、個人としても強く認識し、一歩一歩前進し続けましょう。


                              平成23年9月1日
                              理事長 山口 浩志
                 〜「気配り」について考える〜

 毎日うだるような暑さ続きです。スタッフの皆様、暑い中での看護・介護業務等には本当にご苦労さまです。

 東日本大震災から5ヶ月が過ぎようとしておりますが、1日でも早い復旧・復興を全国民が願っているでしょう。私自身、3ヶ月前に5日間の支援活動に参画させてもらいましたが、これまでの人生で出会ったことのない場面を経験させていただき、感謝しています。それと同時に、今感じていることは、私たちがかかわらせていただいている利用者さんや家族さん、更には業者さんにいたるまで、災害時には互いに助け合っていかなければいけない「仲間」だということです。
 
 指揮命令系統もなく、マニュアルもなく、報告義務等、何もなくなった瞬間に、どう動いていくか。そこで大切になってくるひとつに「気配り」があるのではないでしょうか。このことは簡単なようですが、私も含めてなかなかできているとは言い難いのが現実です。
 広辞苑によれば、「天地の間を満たし、宇宙を構成する基本と考えられること」とあります。要するに、時代が変わり世の中が移り変わっても、変わることのない「社会の約束ごと」や「仕組み」ということでしょう。
 
 どのような不況期や混乱期にあっても、通信業界で確固たるシェアを誇る電通の総師であった故吉田秀雄氏の唱えた「電通鬼十則」というのがありますが、吉田氏がその中でも最も重視したのが「気配り」でした。
 吉田氏によると、気配りの条件として@失敗を好きになるA学習と自習に打ち込むB行動を優先させるC突飛なものに憧れるD熱っぽい言葉に愛着を覚えるE笑いを愛するF気の抜けた返答を嫌うGひどく重苦しい荒廃を大目に見ないと決意する、とあります。またこの8つの条件を目指すことだけでも自分が変化し、気配りのできる人に近づけるのだと説いています。
 
 日常生活の中でも、様々な出来事や場面で「気配り」を養うチャンスはたくさんあります。ぜひ今日から実践して「気配り」のできる専門職を目指していきましょう。

                                
                                平成23年8月1日
                                理事長 山口 浩志
        〜海のサムライ「広瀬武夫」の生き方に学ぶ〜 

 すみわたる青空に夏の気配が感じられる季節となりました。関東大震災から早や3ヶ月がたとうとしておりますが、被災者の人たちは、長い避難所暮らしにも限界を感じていることでしょう。それに対して政局はというと、相変わらず茶番をくり返すばかりで、混迷が続きます。

 さて、当法人では、各部署で上半期目標及び年間計画が仕上がり、それぞれに実践で取り組んでおられると思います。この目標が自分たちの1年後の行く先です。行く先が決まらず、ただ頑張っているだけでは道に迷い込みます。その状況が先に申し上げた現在の政局ではないでしょうか。
 幕末から明治の時代には、あるべき日本の姿を思い描き見えない道を駆け抜けた志士たちがたくさんいました。
 中でも、明治という坂道を懸命に駆け登った一人に「海のサムライ」と呼ばれた広瀬武夫がいます。この人物は以外と知られてはいませんが、現在の平和な世の中に導いた功労者の1人といっても過言ではないくらいの軍人です。
 ロシアに留学したことがきっかけでロシア研究者でもあり文芸家で、かつ嘉納治五郎の教えを受けた柔道家でした。

 また滝廉太郎は、広瀬とは大分県竹田市の同郷であり、とりわけ「荒城の月」は滝の尊敬する広瀬を思い描きできた曲だそうです。

 そして何よりも司馬遼太郎の「坂の上の雲」の主人公のひとり、秋山真之は海軍兵学校では広瀬の2学年下であり、海軍時代同じ下宿で過ごしながら、広瀬を慕っていたとも言われています。日露戦争で「福井丸」の総指揮官を務めた広瀬の参謀には秋山がついていました。戦いのさ中にも決して自らを見失うこともなく、指揮官として力強く「断じて行えば鬼神もこれを避く。敵からの攻撃などはじめからわかっていること。退却してもいいなどと思ったら何度やっても成功しない。」と説き部下を守りながら自身は見事に海に散ったそうです。
 今もなお「軍神」として伝えられるゆえんが理解できるエピソードです。

 時代も生きるステージも今の私たちとはかけはなれた話ではありますが、広瀬武夫の生き様に触れたことは、忘れ物の扉をのぞくような貴重な経験でした。


                        平成23年6月1日
                        理事長 山口浩志
             〜生きる才覚〜

 日中は汗ばむほどの暖かさになりました。スタッフの皆様、日々の業務に頑張られていることと思います。

 私、去る4/27〜5/1までの間、宮城県石巻市にある福祉避難所「遊学館」へ災害支援ナースの立場で参加してきました。
 ここはもともと体育館やプール、ミーティングルーム、コンサートホール(パイプオルガン)などが整った多目的施設です。恐らく震災が起きるまでは、子供から大人までが楽しみに足を運ぶところだったでしょう。

 この避難所には介護が必要な高齢者の方や認知症(若年性含む)、うつ症、PTSD症候群と思われる方々等、約60名、また0才児や学童期の子供さんをもつご家族ら約30名の人たちが体育館で過ごされていました。
 一方、地元石巻市民病院の看護師さんたちや、社会福祉協議会のヘルパーさんたちが支援にきておりましたが、この人たちも避難所から通ってきている被災者でした。ですから私たちのような県外からの支援者が少しでも地元の人たちを心身ともに休ませてあげる役割がそこにはありました。

 支援内容は、入浴のお世話や爪切り、食事の介助など、また時間があればできるだけ多くの方々の傾聴にまわったりと、どの方も休むことなく全力で支援活動に取り組んでいます。ひとり一人の壮絶な災害を乗り越えて生き延びたお話を聴かせていただきましたが、誰もが、「ありがたいです。」とか「ここは最高です。」と言われたり、また私たちに対しても「大変なお仕事をされておられますネ。」といった言葉ばかりで、不安を抱える毎日の中で、愚痴や不満の声がありません。我慢強い地域性ということもあるかもしれませんが、恐らく、生きていることだけでも幸せを感じておられるのでしょう。

 曽野綾子さんが最近書かれた「老いの才覚」という本の中に、聖書の「喜べ!」という教えが紹介されています。聖パウロは、自分の意志で喜びなさい、と説きます。足が痛くても歩けることの喜び、つまらない毎日だと思っても、にこやかな笑顔で会話を楽しむ等。そういった才能を身につけることが、大切であると曽野さんは力説されています。

 私は被災者の人たちからいろんなことを学び、反対に力を与えていただいて帰ってきましたが、石巻市で出会えた人たちに報いるためにも、これからも全力で仕事に取り組むことを喜びとし、自らの才覚を磨いていきたいと今認識しております。

                                         平成23年5月2日
                                         理事長 山口 浩志

                    〜あいづっこ宣言から学ぶ〜

 春もたけなわの頃となりました。スタッフの皆様におきましては日頃の業務にますます頑張っていることと思います。
 このたびの東北地方太平洋沖地震、長野県北部を震源地とする地震により被害を受けられました皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
同時に福島原発問題も世界経済を驚かす問題となっております。
 
 今、私たち西日本で暮らす者としては、何を考え何をすべきか、また何に役立てばいいでしょう。
 福島県では、幕末の会津藩時代に「什の掟」の教えが広まっていました。

「什の掟(じゅうのおきて)」とは、
 一、 年長者の言うことに背いてはなりませぬ
 二、 年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
 三、 虚言をいふ事はなりませぬ
 四、 卑怯な振舞をしてはなりませぬ
 五、 弱い者をいぢめてはなりませぬ
 六、 戸外で物を食べてはなりませぬ
 七、 戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
 ならぬことは ならぬものです
とあります。
 
 それにちなんで、現在福島県会津若松市では、青少年育成の指針として「あいづっこ宣言」を提唱しています。
 
  「あいづっこ宣言」
 一、 人をいたわります
 二、 ありがとう、ごめんなさいを言います
 三、 がまんをします
 四、 卑怯なふるまいをしません
 五、 会津を誇り年上を敬います
 六、 夢に向かってがんばります
 やってはならぬ やらねばならぬ
 ならぬことは ならぬものです

とあります。そして、毎年 地元小学校の子どもたちの中から、「あいづっこのお手伝い」表彰式を、中学生には「夢に向かってがんばります」表彰式があるそうです。

 この度の震災被害の中にあっても、くじけず、助け合いながら前向きに生き抜こうとする姿は、世界中に感動と勇気を与えてくれていますが、このような教えが活かされた賜物だと思います。
 東北地方の人たちから私たちは偉大なる行動を教えられました。これから果たすべきことは、できることから「やらねばならぬ」ことであると確信します。


                                        平成23年4月1日
                                        理事長  山口 浩志

             

                  〜実地指導を終えて思う事〜

 日ごとに暖かさを増し、だいぶん春めいて参りましたが、スタッフの皆様の日々の現場でのご活躍に感謝します。
 
 去る2月28日には法人として約10年ぶりの県実地指導がありました。指導日までの書類点検や整備にあたりましては、スタッフの皆様にはチーム一丸となってのご協力に心から敬意を表します。
 これまでも、それぞれの持ち場で業務の忙しさの中にありながらも、「情報の公表」や各種ミーテイング、研修会などを積み上げてきたわけですが、この度の実地指導を受けるまでの準備過程では、また新たな課題が浮かび上がったのではないのでしょうか。

 私なりにこれまでケアマネージャーとしても、法人代表者としても、日々真剣に利用者さんと向きあってきましたが、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年と区切りで反省を繰り返すと同時に、課題克服にも努めてきました。しかし、この度は、私自身にもいくつかの新たなる気づきや反省点もありました。
 まず、「内部監査」の必要性です。毎週行っているミーテイング等では、マクロ的な内容で終わってしまい、実務的な点検にまで踏み込めてなく、今後はしっかりとやらねばならないと思っております。そしてその為の体制やしくみづくりが取り急ぎ必要です。
 次に委員会活動の充実です。業務外のこうしたインフォーマル活動は内部の充実に直結していくことをこの度、確信しました。例えば研修委員会での企画力が人材育成に結びついていたり、リスク管理委員会から、ヒヤリハット事例や苦情処理の対策に結び付いたり、その他委員会もそれぞれに大切な役割でしょう。今後は更に全員参加型活動へと進め、より活発な委員会活動に期待できそうです。
 3つ目としてシュミレーションの再構築です。シュミレーションというと、収支シュミレーションが考えられますが、それだけでなく事業シュミレーションや人事シュミレーション、サービス展開に至るまで、改めて組み立てていかねばならないと考えます。
 積極思考の大切さを説いた哲学者に中村天風がいますが、彼の著書「研心抄」の中に「有意注意で生きる」ことが説かれています。有意注意とは読んで字のごとく「意をもって意を注ぐ」こと。すなわち、自ら能動的に意識を向ける、という意味をもちます。
 
どんな状況にあっても、どんなに些細なことであっても、ただ漠然と取り組むのではなく、研ぎ澄まされた感覚で常に真剣に気を込めて行うことの大切さを教えています。

 この度の「指導」を契機に「どりーまぁ」を未来に向けて更に進化させ、より良質なケアが行えるようこれからも頑張りましょう。

                                  平成23年3月1日
                                  理事長  山口 浩志


                  〜危機管理から学ぶ事〜

 立春とは名ばかりで、まだまだ寒さ去りやらぬ日が続いております。スタッフの皆さまも年明けからひと月が過ぎ、日常のペースで頑張られていることと思います。

 今、宮崎県や鹿児島県では火山灰や鳥インフルエンザなどの自然災害が続き、地域住民の生活をおびやかしています。特に高齢者や障害のある人たちにとっては、想像を絶する不安が続く毎日だと拝察するところです。
 これまでにも阪神大震災や北越地震などの時もそうであったように、悲劇は突然にふってわいたように起こっています。
 
 私が今現在かかわらせていただいている、あるASL患者さんが人口呼吸器を装着する直前に「自分は交通事故の災害に遭ったんだ、と思って今を受けとめている。世の中には、私以上に困ったできごとに立ち向かっている人もいるだろうから自分だけが不幸とは思わないようにしている。」と言われていたのを思い出します。恐らく人口呼吸器を装着された今も、その気持で過ごされているのだと思います。対人援助の仕事をしていく中でこうしたご利用者様の気持に寄り添えるケアが大切であることは自明の理とするところです。
 
 世界最大手の自動車メーカーGMを研究された経営学者のピータードラカーは「会社という概念」という著書の中で、「サービスができる」ことと「サービスをしつづけられる」ことは能力が違う、と説いています。中でも日常の心得として「4つの窓」理論を提唱されています。
 @ 情熱を失わないA誰に対しての貢献かB経済感覚(バランス)Cナンバーワンビジョン(誰にも負けない力をひとつもつ)。すなわち、誰に対してどのようなことで役に立つか、そして自分の誇りとする力を注ぎつづけることこそが危機に向き合った事態に生きるのだ、と教えています。
 日々の私たちの心得として実践で生かしていきましょう。

                                   平成23年2月1日
                                   理事長 山口 浩志


         
             〜“新年のあいさつに誓う”〜

頌春
皆様におかれましてはお健やかに新春をお迎えのことと思います。
昨年は尖閣諸島でのビデオ流出騒ぎや普天間問題などに明け暮れた年でした。また福祉の分野では、所在不明の高齢者が続々と判明し、「無縁社会」が浮き彫りになったことや、高齢者の犯罪問題等々、未来への希望が損なわれるニュースばかりが目立ちました。
しかし、一方ではエコポイント制度の導入や酷暑の影響から電化製品の売り上げが急増したりで、県内でも景況は復調の兆しがみえた、とも聞きます。
本年は卯年にあたりますが、株式の世界では「丑つまずき寅千里を走り卯跳ねる」といわれています。また卯年は時刻は午前6時から7時頃だそうで、物事の新しいことが始まろうとするそうです。加えて古いものを捨て新しい扉が開かれるという意味もあるようです。
さて、どりーまぁでは2011年のスローガンを「4つの約束」と掲げました。
1.時を守り場を養います 2.心を育み愛を育てます 3.技術を養い命を支えます 4.仲間を信じチームを磨きます といたしました。
 (1)の中には、約束を守る、準備や計画を怠らない、仲間との相互協力が必要です。(2)には、様々な愛のかたちがありますが、自らの「愛」とは何か、を問いかけていただきたいと願います。(3)は、私たちが心に刻んでおくべき使命として掲げました。(4)は、どりーまぁチームをこれからも足腰の強いグループとして全員の力をもって育てあげていただくためにも、「信じあう」ことの大切さを説いています。
 以上の「4つの約束」は人材育成を基本理念として掲げております。
このことを実践していく過程には種々な壁や障害を乗り越えなければならないと考えます。
 徳島新聞では23年より、連載小説として、「親鸞<激動編>」が始まっていますが、今年は親鸞上人の750回忌にあたる年だそうです。戦乱や災害、飢餓と病と「未法」の様相を呈した乱世で苦しむ人たちを救済することに命を燃やした彼の行動から学べることはたくさんあるかと思います。
 このように身近にあるヒントから道を拓いて今年も歩み続けようと思います。


                                  平成23年元旦
                               理事長 山口 浩志


                 〜オーストラリアで地域を学ぶ〜

 年の暮れとは思えないような暖冬異変の今日この頃ですが、スタッフの皆様におかれましては、公私共に忙しくされていることと思います。

 さて私事ですが、先日11/21〜/26までの間、地域包括ケアの先進地視察としてオーストラリアにて研修を受けてきました。オーストラリアは国土が日本の約20倍あり、周りを太平洋、インド洋、南永洋に囲まれた大陸地域です。人口は約2,100万人と、日本の1/4です。
 私が訪れたのはクィーンズランド州にあるイプスイッチとゴールドコーストのホスピスと、ナーシングホームなどの入った高齢者施設でした。福祉は全て“ケアパッケージチーム”の判定によりサービスが決められ、ハイケアサービス(重度介護)とローケアサービス(軽度介護)に区分されたシステムです。中でも在宅サービスを統一している、HACC:ハック(Home and community care)システムの存在でケアの質が担保されていました。

 この度の研修を通して考えされられることや新たに学んだことは、数えあげればたくさんありますが、日本との大きな差を感じたことの一つに、高齢者や障害者、また子供たちに対しては国が何をおいても守らなければならないという気風でした。ですから税金も日本の何倍も高く設定されておりますが、みんないつかは自分たちも受けられるという安心で当たり前に払っているようです。少なくともそうした中にあってオーストラリアの福祉が最も大切にしていることは、「家族」と「コミュニティ」でした。
 例えば、通所サービスを例にあげると、私たちは「デイサービス」とか「デイケア」と称しておますが、オーストラリアでは「デイレスパイトサービス」という呼び名で進められております。まさしく家族の代わりに公的サービスによって昼間のケアを専門職として担うというとらえ方でした。これからの事業運営や現場でケアを進めるにあたって、私たちが忘れてはならないキーワードでしょう。

 研修についての詳細は改めて報告会を開きたいと思います。異国での福祉の取り組みや文化を学ぶことで、これから私たちが担っていく役割をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。


                                      平成22年12月1日
                                      理事長 山口 浩志

                  
                 〜今から ここから 私から〜

 秋風いよいよ濃く、夜長の頃となりました。こうした時期、スタッフの皆様におかれましては、健康管理などに十分注意していただきたいと願っています。
 さて、最近私が業界誌などを読んでいると、よく目につく内容に、@介護職員のたん吸引問題や胃瘻の栄養注入といった医行為への規制緩和、A制度改正に向けた訪問介護の生活援助の除外論、B宿泊付きデイサービスの制度化の動き、などがよく載っています。
 これらの制度の壁を突破するには、直球勝負だけでは到底不可能でしょうし、数々の変化球を使いこなしたり、またしっかりした戦略や戦術、確固たる信念等々、いろんな「力」がなくてはなかなか実現できない、というのが私個人の見解です。
 
 一方私たち自身の心の中にもこのような、ある意味「壁」が時々立ちはだかることがあるでしょう。例えば、「このような仕事は私では無理」、「自分は○○はできるけど△△は苦手だからできない」、「○○さんみたいなことは私では難しい」・・・。これらがさえぎっている壁です。
 マスコミ等で名前は聞いたことがあるとは思いますが、銀座ナンバー1の「筆談ホステス」斉藤里恵さんのエッセイ集でもある「筆談ホステスの愛言葉」という本の中に、「難題の無い人生は無難な人生、難題の有る人生は有難い人生です。」というフレーズがあります。
 この斉藤さんの大好きな言葉が、「今から ここから 私から」だそうです。また、プロ野球の名監督であった仰木彬氏は「信汗不乱」が信条でした。つまり、信じて汗を流せば心乱れず、あるいは汗してつかんだものを信じれば心は乱れず、やがて道は開ける、という信念で生涯を貫かれたそうです。
 こうした教えの数々は私自身、勇気を与えられ、明日への道しるべとなっています。

 未来に吹こうとしている種々な風を感じながら、今、心の壁があるとすれば、こうした教えを指針とし、「今から ここから 私から」突破していきましょう。


                                     平成22年11月1日
                                     理事長 山口 浩志


             〜上半期の反省〜

 朝夕はだいぶん涼しくなりましたが、日中の暑さはまだまだ厳しい今日この頃です。
 スタッフの皆様におかれましても、暑さに負けず本当によくがんばっていただき、心から感謝しております。

 さて、9月は上半期の最終月です。こういう時期は体調を崩したり、ミスをおかしてしまいがちな時期です。皆様はいかがでしょうか。「いや私はそんなことはない。」と反論の方もいらっしゃるかもしれません。(笑)
 もし心あたりのある方はぜひ今一度気持ちを集中させていける工夫をしてみましょう。いくつかの方法としては、普段着ないような服を着てみるとか、いつも行かない場所に行ってみる、また普段と違う言葉を使ってみたり、言い方を変えてみたりしてみる等など。これは最近読んだ女性雑誌に載っていた「女性が変わる方法、変えられる方法」という記事からの引用です。男性の人も一度やってみて下さい。とにかくそういった小さな変化を自分に起こしてみることで、それまで見えなかったものが見えたり、人との会話が違う角度で理解できたりするかもしれません。
 孔子の言葉に「心に在らざれば視えども見えず、聴けども聞こえず、食えども味わえず」というのがあります。
 心を職場に置く、家族に置く、友人置く等。つまり「今」を大切にすることが、自分を大切にすることにつながるし、他人を大切にし、物を大切にすること、全てにつながるということを説いています。
 そういう姿勢をもつことは、人生の勝利を勝ちとり、ビジネスの成功をつかむ最大の秘訣といえるのだと思います。

 政治も経済も混迷の時代にあっても、力強くそしてしなやかに豊かな人生を過ごせるためには、こうした地道な努力がやがて大きな礎となり報われる時代であると信じてがんばりましょう。

                                       平成22年9月1日
                                       理事長 山口 浩志

          〜PHP精神から学んだこと〜

 ひと雨が待たれる日照り続きの咋今ですが、スタッフの皆様には、暑い中でのご活躍に感謝しております。
 先日7月18日に、個人的に参加しているPHP友の会の総会に参加し、基調講演にご来県されていたPHP総会研究所の佐藤悌二郎取締役のお話を聞いてまいりました。ここで改めて故松下幸之助氏という人物像を知ることができ、大きな力を与えられましたので、その時の内容をご紹介します。以下講演抄録です。

 松下幸之助氏(以下松下)が亡くなって21年が経つが、PHP友の会への思いはひとかたならぬ思いがあった。自分はPHP設立2年目に入社して松下に仕えてきた。昭和51年にPHP誌友の会として京都で初めて結成し、研究所からも側面から支援していく方向で進められた。
 また昭和58年に友の会全国大会が開かれ、松下も88歳で出席し、30分間の講演が1時間くらいに延長し熱弁をふるった。機関誌も「わかば」から「素直」へと名称変更された。
 そもそも松下は男3人女5人の末っ子として生まれるも、小学校4年生で父親が営んでいた小さな会社が倒産し、丁稚奉公にだされることになる。最初は火鉢屋から始め、次に奉公時代として語り継がれている大阪船場の自転車屋で商売の基本を身につけることなった。現在世界的企業まで発展し、全従業員数40万人を超えている。
 昭和48年に政策提言機構を立ち上げ、日本の未来を設計するための月1回勉強会を始め、自ら座長を務めていた。内容は経済の問題から世界の難民問題、アジア経済発展など、多岐に及んだ。つまり松下はどんなに会社が発展しても常に人道主義的立場から物事に取り組んでいた。
 デカルトの言葉で、「社会膨大な書物である。」という言葉があるが、松下も社会という書物を見続けていた。ある時PHP研究所員から「万巻の書を読まないと、周知が集められない」と相談を受けたところ反答として「真理に心をとぎすませばんや。真理は日常の中に具現化されている。」と答えたという。つまり本は静、社会は動として双方をつぶさに観察してきた人であった。
 
 こうした松下の生涯と向きあって感じることは、何事にも手を抜かなかった人という印象である。
松下は他人に対しても熱意があった。
 自らを常に奮い立たせ、人の喜びを自分の喜びとする生き方に強い共感をもった。

                                        平成22年8月1日
                                        理事長 山口 浩志

                   〜これから求められる福祉教育〜

 若葉の季節となりましたが、スタッフの皆様、いつも日常の業務に励まれていることと思います。心から感謝しております。
 さて、先般新聞で推計人口に対して総務省が発表したデータが出ていましたが、65歳以上の老年人口が、総人口に占める割合は、22.7%と、過去最高を更新したとの事でした。また、別の角度からは、人口は2009年10月1日現在で18万3千人の減少だそうで、この事は1950年以降最大の減少だそうです。
 このままの状況が続くと、生産的労働人口(18歳以上65歳未満)は減少しつづけ、子供や高齢者を支える人たちの負担は増すばかりの社会構造となりそうです。
 ここにきて今一度、福祉のあり方や自分たちの親への介護、そして更には自らの将来像などを見直さなくてはいけなくなります。明らかに過去経験してきたことや学んできたことだけでは通用しなくなることが考えられます。このことは現場で身近に感じられている方も多いのではないでしょうか。
 今後どのような形が求められるのでしょうか。
 私自身は、@地域社会で身近なところから支え合えるシステムを創り直すこと、A受益者(利用者)の価値観に合った新しいケア体制及び教育システムに取り組むこと、B自己責任を考え直す(行政依存型からの脱却)、の3つを考えます。
 しかし、地域社会といっても、都道府県レベルから、自治体レベル、中学校区、小学校区、更には町内会や自治会、班単位まで、規模は様々です。
 そこで、今後は、自治会単位の集合体としての自治体それぞれの特色を市民手作りで創り出していくことが、必要だと思います。
 そうして各地域で特色のある独自の体制を生み出し、個人の意識も変える方向に導くことこそが、新しい地域社会の形ができあがる一歩でしょう。
 しかし、そこまでの道のりは平たんではないでしょう。
 国際ビジネス&スポーツアナリストであるタック川本氏は「メジャーリーグ法、組織と人の活かし方」という本の中で、紹介していますが、メジャーリーグは1軍から5軍(1A〜5A)まであって、それぞれの段階での乗り越え方があるとの事です。まず5Aから4Aへ昇格するための条件としては、野球能力もさることながら、社会人として通用するかどうかが決め手だそうです。次に4Aから3Aについては、「1日4食のすすめ」という言葉があり、3度の食事と1日1回何らかの知識を食べているかどうかが鍵だそうです。3Aから2Aへは、ライバルを真の仲間として大切にできているかどうか、最後の難関2Aから1Aのメジャーリーガーとなれるかどうかは、自分が思った以上のことを他人にできる人になれるか、だそうです。
 こうした過程を経て、初め1200人くらいのドラフト候補生の中から、3年後には0.1%程しか残れないそうです。
 医療・福祉に携わる一員としてこうした一流プレーヤーの厳しい道のりは非常に大きなヒントと励ましメッセージを与えてくれます。
 今後このことを参考に、益々自分自身を磨き続け、新しい福祉社会へと挑戦していきましょう。

                                        平成22年5月1日
                                        理事長 山口 浩志

           〜3センチ角の柱の精神〜

 花だよりの聞かれる時期となりました。スタッフの皆様には、日常の業務、本当にお疲れ様です。
 さて、相変かわらず政局の混迷をはじめ、児童虐待、青少年の自殺、更には貧困問題と、毎日悲惨な出来事が後を絶ちません。
 一方、高齢者医療や福祉においても、住まい、医療費、認知症、地域間格差等々、数え上げればきりがないくらい問題が多発しております。そうした中での4月からの診療報酬改訂は、24年度の医療・介護の同時改定を目前に控えた時期だけに目が離せません。
 本改定では、病院から退院する際に居宅介護支援事業所へ情報提供した場合に連携加算として新設されています。また、脳卒中やがん患者さんなどのクリティカルパス(連携パス)といわれる情報提供書で情報提供した場合にも点数化されています。この事は、事業所と医療機関双方の連携を通して、質の高い入退院マネジメントを目指すべきであることを示しています。
 これまでも私たちは在宅で闘病生活を送られている利用者さんたちとかかわる中で、一瞬の油断や気の緩みで事故にならないよう注意してまいりましたが、仮に問題が起こったとしても、起こった原因や解決に向けてのプロセスを透明化する対応が大切なことではないかと思います。また、そういう時こそ、長年の経験からくる慢心から、「今まで頑張ってきたのに」、とか「これからやろうと思っていた」というのではなく、「今すぐにやる」、「今しかない」と動く自分にならなければいけないでしょう。
 大工さんの教えのひとつに「一寸千貫(いっすんせんがん)」という言葉があるそうですが、たとえ3センチ角の細い柱であっても「今日この役割を担うために生きているんだ」という強い意志でポイントを外さずつっ立てると、4トンの重さの物でも支える力を持っている、という教えだそうです。逆にいくら太くて材質のいい柱でも、中途半端な気持ちでポイントがズレていれば、軽い物でも崩れてしまいます。
 慢心を敵とし、常に3センチ角の精神で、どこにどれだけ心の投資ができるか、そしてまた、プロセスを閉じ込めるのでなく、表に出していくことで、一つづつから解決の糸口をつかんでいきたいものです。


                          平成22年3月1日
                          理事長 山口 浩志


年頭のあいさつ

〜「庚寅」の年に「氣」を込める〜

 新年あけましておめでとうございます。今年もスタッフの皆様と共に全力で取り組んでいきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

 さて、2010年は「庚寅」の年です。「庚(かのえ)」には“更(あらたまる)”と言う意味があるあり、また「寅(とら)」には弓を引いて満を持して矢を射んとする状態、すなわち矢が放たれて飛ぶが如、万物が一斉に芽生え始めるサマを意味しているそうです。
 年始にあたり、私は、徳島新聞に始まり、日経、朝日、読売、毎日、産経、流経などの新聞に目を通し、今年1年各紙の予測を読んで楽しんでいます。
 今年はまず、世の中の動向としては出生数2.2万人減、死亡数2千人増で人口7万5千人減という中、社保庁廃止に伴う[日本年金機構]の発足、診療報酬改訂(4月)、こども手当支給開始(6月)などがあります。政治的には、米国オバマ大統領の医療保険改革やアフガン情勢、イラク撤退などの指導力の弱さが原因で支持率低迷や、英国EU連合の結束力の低下が指摘されています。反面、中国が偉大なる復興により、GDP世界第2位も間近な勢い。しかし、輝ける夢も悪夢も紙一重とも論されています。
 一方、日本経済の情勢と言えば、相変わらずの止まらぬドル安と急激な円高で株価市場は二番底を回避できるかどうかの瀬戸際にあり、きめ手は外需環境の改善にあるようです。
 また、中国が、エネルギー、鉱物、食糧、安全保障と、あらゆる資源を求めて、世界への進出をはかろうとしているのに対し、わが国もLED市場を「LEDバイオ構想」と銘打ち、第2拡大期として異分野の協力体制にとりかかっています。
 地域福祉の分野では、コミュニティオーがナイザー(欧州、東アジア共同体、米州機構等世界約10区域)が現実味を帯び、地域住民が貧困などの社会問題に取り組み、自らの力でコミュニティを復興させる動きが活発化しています。したがって、ひも付き補助金から一括交付金の流れがあり、国の出先機関は今後廃止され、いよいよ国と地方自治体との役割分担が実現されるでしょう。国としては、外交や防衛、通貨に力を入れ、地方では教育や医療、福祉の充実といったことが役割となります。
 総論として、これから求められるあり方としては、悩みながらも共に成長していこうとする強力なリーダーのもとで、用意周到な戦略を立て、強権発動も辞さずの断固とした意思で、駆け走る勇気が必要な時代とあります。

 私自身今年の目標を漢字一字に集約すると、「氣」という文字になりました。
「気合い」「気力」「気配り」「気を入れる」「気を捕える」と、言葉としては、数え上げればきりがありませんが、「氣」をエネルギーとして「心技体」のバランスを保ちつつ、一歩一歩前進していきたいと考えています。
 皆さんも今年の目標を漢字一文字に例えてみて、その一文字を胸に1年を過ごしてみて下さい。
 本年も頑張りましょう。



                        平成22年1月4日
                        理事長 山口浩志


〜安定の道を自ら開く〜

 年の暮れとは思えないような暖冬異変ですが、スタッフの皆様も公私共に忙しくされていることと思います。

 先般新聞記事に出ていましたが、医療界にも異変が除におしよせてきているようです。まず、医療機関における入院患者が15年ぶりに0.65%減少したとのこと。また、平均在院日数の減少や療養病床での医療ニーズ度の高い患者の増加と医療・ADL区分1〜2対象者の入院減少等々。徳島県は、平均在院日数が全国で最も長い59.8日とありました。このことは決して誇れることではないし、様々な課題に取り組み、克服していく道を選ばねばなりません。
 すなわち、医療依存度の高い疾患をもつ人や末期がん、難病等で患っている重篤な状況にある人に対しての受け皿をつくっていくことが、近々の課題でしょう。

 航空力学の権威者であった佐貫亦男氏は著書「不安定からの発想」で、ライト兄弟が有人動力飛行に成功したのは、大気中が常に変化する不安定なものと促え、それを人間の力で安定を生み出そう、という発想からのスタートであった、と説明しています。

 地域医療や地域福祉を不安定なところから安定した整備にしていくためには、現在の不安定要素を分析し、1つ1つの問題から取り組もうとする勇気が新たなる道を開ける原動力になると信じています。自分たちの力を信じて問題を究明していく「着眼」とあらゆる事態を想定して解決策を練る「着想」、そしてできることからすぐ始める「着手」で、これからも課題を克服し、安定の道へチャレンジしていきましょう。

                        平成21121
                        理事長 山口 浩志


〜友愛の旗印〜

 いつしか夜寒の身にしみる季節となりました。スタッフの皆様には、日々の活躍に大変感謝しています。
 早いもので今年も残りわずかとなりましたが、今年ほど激動の年はなかったのではないでしょうか。

 秋の衆議院選挙での政権の大逆転劇。これは、まさに歴史に残る出来事でしょう。そして勝利を手にした民主党、代表である鳩山総裁ですが、彼の座右の銘は誰もが知る「友愛」です。
 私はこの「友愛」について最近調べてみましたが、鳩山氏の祖父である故鳩山一郎氏がグーデンホフ・カレルギーの著書を翻訳した時、「フラタナティ」を博愛ではなく「友愛」と訳してからが始まりだそうです。そこでの「友愛」とは柔弱なイメージではなく革命の旗印ともなった戦闘的概念が含まれています。
 そうした「友愛」精神のもとで鳩山総裁の指針として、「自立と共生の時代」を掲げていますが、中でも特に力を入れる政策として「中央集権国家」のかたちを「地域主義」の国に変革することと説いています。
 その変革の過程では、官僚や族議員、あるいは業界団体といった反発や圧れきは避けられないでしょうが、その時に行動の羅針盤となるのが、「友愛」なのでしょう。
 このことはある意味で私たちも日常経験していることかもしれません。
 事業運営のマネジメントや看護・介護業務で個々のケースに携わっていると種々なバランスの調整があります。例えばご利用者の声とケア計画とのバランス、ご家族の意見とで利用者本人の意見とのバランス、スタッフ間の意見のバランス、経営理念と現場運営とのバランス等々。これらのことは、部門長や経営者だけの考えで進めていかずにスタッフ全員の思いや願いを含めた上で一点の答えを選ばねばなりません。
 そのような時、国の指針とされている「友愛」の言葉をうかべながら、ひとり一人の考えにも革命をおこしてバランスのとれた解決策を生み出すことが必要です。

 「EUの父」として讃えられるクーデンホフ・カレルギーが「汎ヨーロッパ」を刊行した時、彼は言っています。
 「一つの考えがユートピアにとどまるか現実となるかはそれを信じる人間の数と実行力にかかっている」
 自分自身の「友愛」を強く信じてこれからも進んでいきましょう。



                                      平成21年11月1日
                                       理事長 山口 浩志


激動期を生きるとは
〜先人の生き方から学ぶ〜

味覚の秋となりました。スタッフの皆様におきましては、日常業務で頑張っている姿に心から感謝しています。

 さて、去る8月30日に行われた総選挙は、大方の予想どおり、民主党の圧勝に終わりましたが第一党となった党のこれからの課題は、「マニュフェストの実現」でることは知るところです。特に私たちに関係する社会保障問題や医療・介護の問題については、あるべき姿の実現が望まれます。
 とりわけ直面する診療報酬改訂が来年度に迫っています。医療関連団体である。日医協は要望として入院基本料の増額看護補助業務の確立、急性期医療の中で救急受け入れ加算の創設、リハビリの評価方法など、7項目にわたり政府に提出しています。

 また、日本看護協会からは、「専門・認定看護師の配置体制の促進、訪問看護の安定的な供給の実現」と題して5項目にわたる要望を出しています。
他にも種々な業界団体からも要望書が出されているところですが、ポイントは、なぜこういった内容を要望したのか、実現することで、医療・介護はどう変わっていくのか、を分析していかねばならないでしょう。そして、それぞれの視点のどの点に自分たちの分野が当てはまり影響を受けるかを考えていく必要があります。

 これまでの日本の歴史の中でも激動の時代、変革の時代はくり返されてきていますが、そうした中で、先人たちの考え方や行動の足あとからの教訓は、私たちの指針としてくれます。

「定年名人」と言われている伊能忠敬は隠居後56歳からの17年間で日本地図作りました。またフランスのアンリー・ファーブルは55歳で「昆虫記」を書き始め83歳で10巻を執筆しています。
「遅吹きのひとー人生の第四コーナーを味わうー」の著書、足立則夫氏によると、「遅吹きのすすめ」として、@伴侶や近隣のコミュニケーションを図る A目標をもつ Bみずみずしい心を失わない C足腰を鍛える D経済基盤を整えるーという「5つの心得」を挙げています。
 私はこれからのことから教えられることとして、世の中がどんなに荒れ乱れようと、自分の目標をしっかりと持ち、あせらない姿勢とたゆまない心の強さをもって自らの生きがいプランを描き続けていきたいと思っています。


                            平成21年10月1日
                            理事長 山口浩志


                        〜成長と持続〜

 吹く風も夏めいてまいりました。スタッフの皆様、毎日の業務に活躍している姿に感謝しています。

 介護報酬改定でにぎわした本年度ですが、相変わらず厚労省のゆさぶり方式で介護業界は、なかなか地に足がつかず揺れ動いています。先日の朝日新聞にドイツで介護保険制度の大幅な見直しが検討されはじめた、との記事がありました。ドイツでは、現物給付と現金給付との併用で、認定段階も3段階です。
 今後、財源確保に向けた保険料率の引き上げと認定方法の見直しにとりかかる、とのことです。日本ではドイツ型、アメリカ型、オーストラリア型等の混合型で制度が創設されたいきさつがありますが、今後のドイツでの制度改訂の行方は注目せざるをないでしょう。
 しかしながら企業としては、どういった制度の嵐が吹こうとも、利用者さんの支援を続けていく以上は継続していかねばなりません。

 創業約300年の歴史を誇る企業として小泉産業(大阪市)があります。1970年代に仮面ライダーをキャラクターとした「ライダーデスク」で一斉風靡した会社です。同社の起源は近江で小泉武助が武士を捨て麻布の行商を始めたのがきっかけです。郷里の商品を諸国で売りさばき、帰る時は出先の産物を仕入れて戻る、行きと帰りの双方で商売をする「ノコギリ商法」で財をなしたと聞きます。
 武助の魂は七代目新助まで引き継がれていますが、これまで数々の教えを受け継いできたそうです。
 例えば、
   1、真の問屋は特殊特微品によって生きなければならない。
   2、売り場も工場も無くても、社員の熱意と人材教育で乗り越えていける。
   3、計画とは決心である。決心しないと販売計画が狂う。
 などがあります。
 呉服の小泉からこれまでにもアイロンやドライヤーを誕生させたり、社員にインテリアコーディネーターの資格を取らせて住宅と照明の複合化で商機に挑んだりと、「成長と持続」を徹底した「生産問屋」で実現する姿勢に、ブレのない強さを感じます。
 制度の変化に一喜一憂することなく、「地域福祉に役立つ」ことに徹して、これからも歩み続けていきましょう。

                     平成2165
                     理事長 山口 浩志


            〜これからの取り組み方について一言〜

 相変わらず暑い日が続いていますが、スタッフの皆様におきましては本当にご苦労さまです。

 衆議院が解散したばかりの今、選挙の話題がますます盛り上がってくる月になりそうです。
 リーマンショック以来、百年に一度の不況と取り沙汰さていますが、政治の世界も百年に一度の嵐が吹きそうな気配ではないでしょうか。しかし私たちはそうした嵐に対処することはできなくても対応はしていかねばなりません。何故ならば、もう一つ先に22年度診療報酬改訂の嵐が待ち構えているからです。

 平家物語に出てくる言葉の中に、「盛者(しょうじゃ)必衰(ひっすい)(ことわり)というのがありますが、偉大で権威のあるものでも、いずれは必ず衰え滅んでいくものだ、ということを説いています。つまり、業としての寿命も、一般には寿命は30年と言われています。今の業績が絶頂で人気があっても30年経てば、衰えるのが世の常だということです。しかし、反面そのような常識をくつがえし、30年経ても繁栄しつづける企業があることも事実です。

 戦後、東京の北千住で始めた、わずか二坪ほどの洋品店を、世界有数の五兆円企業へと育てあげたイトーヨーカ堂の伊藤雅俊氏は、後者に値するでしょう。
 同じ時期から創業し、一時有名となった人物として、ダイエーの中内功氏がいます。
 地域支配率に重きを置いた伊藤氏に対し、中内氏は全国展開に重きを置きました。
 両者を比較する中に、一説には、中内氏はある時期から謙虚さに欠け、またメモすることをしなくなったが、伊藤氏は会長となった今でも、人と会った時は、相手がどんな地位の人であり年下であっても相手からの話題に対して真剣に耳を傾け、そしてメモをする。時にはレポート用紙何枚ものメモをとるそうです。そのように学習意欲の旺盛さには衰えを感じさせない、とあります。
 個人としても企業としても衰えなく成長を続けることを教えられるエピソードではないでしょうか。
 これからも私たちは「謙虚」に「学習意欲」を続けることで、知恵を出し合い、時代の嵐に立ち向かっていきたいと考えます。

 共に頑張りましょう。          
                         平成21年8月1日 
                         理事長 山口 浩志

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