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〜次期介護保険制度改正とセツルメント運動〜 (平成28年12月) |
いよいよ年の瀬が押し迫ってまいりました。地域の皆様及び関係者各位におかれましては、日頃からのご支援ご協力に対しまして心から感謝いたします。 政府の掲げたスローガン、「新3本の矢(GDP60兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ)」に始まった28年の締めくくりです。 今年の記憶としては、残念ながら新3本の矢ではなく、米国大統領選、東京都知事選と、世界の中心と日本の中心のトップが選ばれる一年でした。また身近なところでも、徳島市長選がありました。どの選挙も歴史的交代劇となり、今後の期待と不安がつきまといます。 「今日までの常識は、明日の非常識」ということでしょうか。 かつて、福祉を築いてこられた先人たちの中でも、私の最も尊敬する片山潜氏は、社会主義論信奉者でした。たすけあいの原点であるセツルメント運動を広げ、日本人初の隣保館、キングスレー館を創設し、労働者たちの学習会を開いたり、幼稚園を経営して地域貢献活動に精力を注 がれた方です。 そしてその教えを受けて、日本人初の老人ホーム(養老院)をつくったのが、「無告の窮民(生活困窮者を速やかに救助する)」の教えを掲げられた聖ヒルダ養老院でした。 29年度の介護保険改正に向けて、厚労省は軽度利用者の生活援助撤廃や、自己負担割合の引き上げを提案しています。一方民間レベルでは、高齢化のあおりを受けて、生命保険会社が認知症保険の販売も開始しました。また、利用者以外の家族等の支援もできるようにと、公正取引委員会が提言した混合介護に反応してか、ダスキンやベアーズの企業は、家事代行サービスを商品化したりと、民間企業の動きが活発化しています。 医療福祉でも「今日までの常識は、明日の非常識」現象が、今まさに実現されつつある証明でしょう。 片山氏の提唱されたセツルメント運動の理念は、「共に助け合える社会の構築」です。 どのような環境になろうとも、私たちは今一度気持ちを引き締めて、平成版の助け合いの実践を変わらぬ常識として、続けていきましょう。 平成28年12月1日 どりーまぁサービス 理事長 山口浩志 |