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〜制度改正前の心得〜 (平成30年3月) |
春の訪れがかすかに感じられる季節となりました。地域の皆さま及び関係者の皆さま方には、日頃からご支援頂きまして心から感謝申し上げます。 3月はお彼岸があります。彼岸は入りから明けまで前後3日と、中日を合わせて7日間あります。中日にはご先祖に感謝し、残る6日間は布施・自戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六波羅密をひとつづつ修めるとされています。 さて、政府が「高齢者の暮らしの安心」目的で、高齢者対策大網を発表しました。65歳以上を一律に高齢者とするのは現実的でなく、意欲と能力に応じて活躍できる「エイジレス社会」の実現を掲げました。 企業やシルバー人材センターなどで、地域の就労先を増やして、介護や保育など、元気高齢者の参画を促進し、社会保障制度に関しても、年金受給開始を70歳以降にもできる内容が提言されています。 介護報酬改定では、軽度利用者の生活援助の担い手としての役割も期待が込めれられています。 厚労省の調査では、生活援助の利用者は約49万人で、ひとりあたりの平均利用回数は月11回だったそうです。中には月100回以上利用していたケースもあったそうです。従って、今後の新制度においては地域の中で新しい人財が不可欠となることが予測されます。 また、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」が改訂され、終末期を病院以外の在宅や福祉施設でも迎えることができるよう準備することも大切になります。 このように、これまでやってきたことのみに目を向けるだけでなく、非連続に変化する環境に対応していかねばなりません。 日本を代表する仏師松本明慶氏は、「何かを成し遂げるためには、普段からどれだけの準備ができているかが大事だ。」という信念に基づき、大仏の要請があればいつでも作業にかかれるよう、日頃から手のひらにのせられるくらいの大きさの仏像を毎日彫り続けているそうです。 新しい福祉の時代を迎えるにあたり、今まさに自らの変革に取り掛かる時なのです。 平成30年3月1日 理事長 山口浩志 |