|
|
|
〜自らの経験を未来に活かす〜 (令和2年12月) |
師走を迎え何かと気忙しい毎日ですが、関係者各位におかれましては日ごろからご協力ご指導を賜り心から感謝申し上げます。 師走の由来は「師匠の僧侶がお経をあげるために東西を馳せる忙しい月」という説です。また二十四節気の「冬至」を迎える22日頃は、1年で昼から最も短い日で、この日を境に昼が少しずつ長くなることから「一陽来復」と言われています。 中国には「水を飲むときに井戸を掘った人のことを忘れてはならない。」とのことわざがあります。かつて田中角栄氏が日中友好条約を締結した時に、中国周恩来主席は、「この度の友好の始まりは岡崎嘉平太が井戸を掘った(縁結び)からだ。」と伝えています。 日銀出身で、丸善石油社長、全日空社長を経て、大東亜参事官となった際に、周恩来主席との親睦を深められたからこそ条約が結ばれた。と伝えられた言葉だと思います。 コロナ禍により体操教室や茶話会などの通いの場が次々と活動を休止する中、知恵を絞り、つながりを維持していこうとする試みが全国にあります。 例えば、宮城県栗原市では、月1回の会報に体操やパズルを掲載し、配布時に近況を聞いて廻っています。また、神奈川県伊勢原市では、自宅で過ごす会員の孤立を和らげるために、絵葉書や手紙を送付したり、密を避けたウォーキングをしたりしています。 これまでの常識からは離れた角度から対策を考えなければフレイル予防や認知症予防に活かす対策は見つからないでしょう。しかし、私たちには、2018年頃から地域の社会資源や人財を活かして、住民と共に独自の工夫で取り組んできた経験と実績があります。 また、NPO活動の経験や多様な専門職集団としての人材を力にできます。そのことを無駄にせず、これからの新しい行動様式を考えたり、資源を活かすための工夫でコロナ禍による逆境から立ち上がらねばなりません。入門当初の白鵬関がインタビューで、「稽古だけが夢を叶える」との信念で大横綱への成長したように、改めて自分たちが掘ってきた井戸を思い出して、培ってきた現場力を信じて未来の新しい地域福祉の形をつくりあげていきたいと思います。 ラスト1ヶ月全力を振り絞り明るい年へつなげましょう。 令和2年12月1日 理事長 山口浩志 |