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〜認知症ケアと3本の矢〜 (平成25年6月) |
連日の梅雨に悩まされる今日この頃ですが、地域の皆様方には、日頃からのご協力に心から感謝申し上げます。 アベノミクスの「3本の矢」が毎日のように新聞などで取り上げられておりますが、私たちが携わっている分野でも「医療介護の3本の矢」が取り上げられています。。 まず、第1の矢は、国民の欲しい医療が届く抜本的薬事制度の見直し(再生医療新法、医療機器産業の活性化等)。第2の矢は、国民に身近ないわゆる健康食品やサプリメントの規制改革。3本めの矢は、医療のICT(情報通信技術)化です。医療データの利活用によって、公的保険に依存しない健康産業をつくり出すこととあります。 そもそも3本の矢の考えは、毛利元就の教えが始まりです。元就が3人の息子に、「1本の矢ではすぐに折れてしまうが、3本を束ねれば簡単に折れない。3人が力を合わせて家を守れ。」と論したことからだそうです。要するに、3本をそろっているだけではダメで、束ねた力を合わせることが重要だと説きます。 福祉施策で考えると、「定期巡回・随時対応サービス」と「小規模多機能居宅介護」、そして「高齢者の住まい」は「地域包括ケア3つの矢」といえるのかもしれません。 6/1付けの朝日新聞記事に、認知症高齢者が2012年時点で、462万人にのぼり、65歳以上高齢者の15%に達する、との厚労省研究班の調査結果が発表されていました。また合わせて、軽度認知障がい(MCI)と呼ばれる「予備群」は、約400万人いるとありました。 それに対して、公的保険の運営面としては、厚労省の目玉施策であった、「定期巡回・随時対応サービス」が、2013年の時点では、全国120自治体しか実施されていないようです。 また認知症ケアに関する5か年計画として、オレンジプランが成立しておりますが、実践的はまだ始まったばかりです。 今後も私たちは現場で認知症の方へのケア実践は取り組んでいかなければならない分野のひとつですが、今後どりーまぁサービスとしても、時代による新たなニーズを抑え、将来おこるべき課題にも対応できる組織づくりを考えていかねばならないと思います。 その時に、毛利元就の残された「3つの矢」の教えをぜひ活かしたいものです。 平成25年6月1日 理事長 山口浩志 |