|
|
|
〜虐待防止を考える〜 (平成28年4月) |
桜花爛漫の季節となりました。スタッフの皆様には、地域の皆様方や関係者の方々には、日頃から温かいご支援ご協力を賜り、心から感謝申し上げます。 川崎市でおきた有料老人ホームの転落死事故というショッキングな虐待事件が、福祉業界のみならず、社会で問題になっております。 虐待には、身体的、精神的、経済的、性的、放置(ネグレクト)などがあります。もちろん重複しているケースもあります。 この問題は高齢者だけでなく、児童や障がい者分野でも重要視されております。児童分野では虐待を受けた18歳未満の子どもは、3万7000人(前年度比28%増)と警察庁が発表されております。うち摘発件数が785件と、過去最多だそうです。 また最近では、広島県の中学校で、「万引きをした。」との教師の誤った記録を理由に、志望校の推薦を出してもらえず、自殺した男子生徒の事件や、2歳の長女に、半年以上食事を与えず、栄養失調にさせた福岡県での事件など、あってはならない悲惨な出来事ばかりです。 こういう保育や教育を受けた若い世代の人たちを守らねば、この国に未来はないように感じざるをえません。介護分野では、日常生活で支えが必要な人が、全国で600万人いるといわれておりますが、要介護者のうち、15歳〜29歳のヤングケアラーと呼ばれる若者は、約17万7000人いるそうです。 教育分野や福祉分野の施策では、今年度から、全国の中学校全てに、スクールソーシャルワーカーを配置し、いじめや虐待防止につなげようという政策が始まります。 また、介護者の負担やストレス解決に関しては、地域の地域包括支援センターや社会福祉施設、事業所などに、電話相談窓口を設けたりもしています。一方、同じ悩みを抱える仲間たちと意見交換したりして、息抜きをする場としての家族会などの取り組みもあります。 いずれにしても、介護を受けたことがなかったり、虐待を受けた経験のない専門職が、そうした苦しい立場の人たちとかかわらせていただけることで、自分たちの生き方を教えていただいたり、今自分たちとして何ができるかを考えさせていただいていると言えるでしょう。 私たちも、ご利用者さんたちから、現場で伝えていただいているメッセージを重く受け止めて、これからも 日々業務にあたらねばならないと思います。 平成28年4月1日 理事長 山口浩志 |