|
|
|
〜ホンダイズムと福祉サービス〜 (平成28年10月) |
心地よい秋気が身にしみる季節です。地域の皆さま及び関係者の皆さま方には、日頃からご支援頂きまして心から感謝申し上げます。 今年は、本田技研工業創業者である本田宗一郎氏の生誕110年にあたる年だそうです。本田 氏の残された格言は、枚挙にいとまがありませんが、中でも、トヨタの「カイゼン活動」に対して、本田氏は、「現場」(事実)、「現物」、「現実」(実行)の三現主義を指針のひとつとして提唱されました。すなわち、「現場はウソをつかない」といい、「初めに行動ありき」でなく、「行動しつづけ考え続ける」がホンダイズムといわれていたようです。 厚労省が2014年に発生した子供の虐待死案は44人で、そのうち0歳児が過去最多の27人と、全体の6割を占めるという悲惨な結果です。県内でも、児童相談所に通告した18歳未満の子供は134人で、前年比23%増だそうです。特に子供の目の前で、配偶者や親族に暴力を振るう「面前DV」の増加が目立っているそうです。 また、日本財団が行った自殺意識調査では、過去1年以内に自殺未遂をした人は、推計で53万人に上っています。 虐待と自殺は別問題でなく、背中合わせで進んでいるかもしれませんが、こうしたことをなくすためには、病気と同じように、予防と早期発見、早期治療が重要だと思います。 予防と早期発見が実現するためにも、行政だけでなく、追い込まれる人を地域挙げて救えるような努力も必要でしょう。 福祉施策の次の展開としては、「混合介護」や「共生型サービス」等、時代に即した新しいサービスが考えられているようです。 一方、内閣府が発表した「我が国と諸外国の若者の意識調査」では、ボランティア活動に興味がある人として、米国61%、韓国57%に比べ、日本は35%との結果からも、我国の今後の課題がありそうです。 このように、先の読めない時代でありますが、ホンダイズムにある、「チャレンジする恐さより、チャレンジしないことを恐れよ」を教訓として、法人として求められるサービス体系への変革に挑戦し続けねばなりません。 平成28年10月1日 理事長 山口 浩志 |