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〜虐待ゼロ社会を目指す〜 (平成28年8月) |
残暑きびしい毎日が続いています。地域の皆さま及び関係者の皆さま方には、日頃からご支援頂きまして心から感謝申し上げます。 禅語に、「百尺竿灯(ひゃくしゃくかんとう)に一歩を進む」とあります。これは、百尺の竿(さお)の先に達しているが、なおその上に一歩を進もうとするという意味です。努力・工夫を尽くした上に、さらに尽力することです。 先日の、相模原の障害者施設殺傷事件は、戦後最悪のショッキングな出来事でした。この決して許すことのできない事件を発端に、まず障害者総合支援法や、精神保健福祉法の中身を見直さねばならないと思います。 特に、精神科入院の措置入院では、2人以上の精神保健指定医の判断で、都道府県知事か、政令の市長が入院を決めることになっていますが、退院に関して、期間の定めもなく、保健・医療・福祉関係者の話し合いで、退院後の支援体制を決めることが義務付けられていないのが現状です。 また、人材育成のあり方についても、考えていくべきでしょう。総務省が発表した、2015年国勢調査では、15歳以上の就業者は、「医療・福祉」が12.2%で、前回10年調査より、2ポイント増と、他産業と比較して、受け皿としての高い伸びがうかがえます。 人材不足を合言葉とせず、しっかりと育成できるしくみづくりをもっと考えるべきです。 一方、民間企業では常に創意・工夫が求められますが、最近では、まず損保ジャパン日本興亜ホールディングスは、自宅にいながら有料老人ホームと同等の生活支援サービスを定額で受けられる「在宅老人ホーム」の導入や、ALSOKでは、介護タクシーや介護旅行、訪問理美容、介護コンビニ等の、周辺事業を手掛けています。 このように、高齢者・障がい者にかかわらず、虐待ゼロ社会の実現を目指すことに終わりはないと思います。 二度とこの度のような事件を起こさないために、また、今現在障がいを抱えていらっしゃる方やそのご家族が、これからも安心して地域で暮らし続けられるよう切に願います。 私たちのやるべきことはまだまだたくさんあります。 平成28年8月1日 理事長 山口 浩志 |