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〜地域共生社会の実現とは〜 (平成29年3月) |
風は肌寒いのですが、日差しは春を思わせる季節です。地域の皆様及び関係者各位におかれましては日頃からのご協力ご支援に心から感謝申し上げます。 先月の東芝危機のニュースは、日本を代表する名門企業の安定神話を揺るがす出来事でした。 同社は、事業の2本柱である原子力と半導体事業のうち、米国への原子力事業の損失が膨らんだことが原因だそうです。 これからの介護の問題も他山の石ではありません。例えば、介護費用は00年度の3.6兆円から16年度には10.4兆円へと3倍に増え、25年度には保険料も全国平均で8165円に達する見込みが出ています。自治体からは、「住民はすでに負担は限界」との悲鳴が上がっているようです。 厚労省は、市町村に要介護認定や給付費のデータに基づく目標を義務づけるとともに、「地域ケア会議」の開催や、介護職員の研修回数などを評価の対象として、交付金を増やす支援の準備にかかっています。また「我が事・丸ごと」の体制整備を地域福祉計画への記載を自治体に促進し、地域共生社会の実現に向かおうとしています。 すでに、山形県では、「自立支援型地域ケア会議」の市町村への普及に取り組んでいます。そして、地域包括ケア総合推進センターを設置し、職能団体に専門職の自治体での介護予防教室や、地域ケア会議アドバイザーとしての派遣委託等もしているようです。 滋賀県守山市では、「自立支援型ケアに重点を」の目標を掲げ、認知症高齢者が行方不明になった時に早く見つけられるため、市民のスマートフォンに「見守りアプリ」をダウンロードして、発信器をつけた高齢者が45メートル以内に入ると、自動的に家族に位置を知らせる仕組みをつくっています。まさに、地域住民あげて見守る「共生」の視点といえるでしょう。 明治天皇が遺された「大御心(おおみこころ)」にある、「あらし吹く 世にも動くな人ごころ いはほに根ざす 松のごとくに」は、激動の下でも巌(いわお)に根をはる松の大木のように、しっかり自信をもち動じない精神を意味していますが、これからの私たち福祉人としての生き方や進むべき道を示していただいているようなお言葉です。 平成29年3月1日 特定非営利活動法人どりーまぁサービス 理事長 山口浩志 |