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〜社会保障制度改革と消費増税について考える〜 (平成25年9月) |
灯火親しむの候となりました。今夏は厳しい暑さが続きましたが、地域の皆様方にはいつも心温まるご支援をいただき、心から感謝いたします。 先日8月29日の各紙では、総務省が発表した人口動態調査結果が報告されていました。中でも注目したい内容が、死亡者数が出生数を上回る人口自然減少が更新しつづけていることと、国の経済を担うべき生産年齢人口が、過去初めて8000万人を割ったことです。 同じように、この時期話題になっていることに、社会保障制度改革問題があります。ここでの課題は、介護保険の軽度利用者対策、診療報酬の軽症及び慢性期疾患患者への対応、また介護保険サービスの自己負担金を1割から2割への引き上げ等、山積しています。 それに伴い、いよいよ現実味をおびてきた消費増税問題が追い打ちをかけるかのように、にぎわせています。 このことについては、様々な有識者がそれぞれの立場から意見提言しているようです。 青山理恵子氏(日本消費生活アドバイザー)は、なによりもまず、低所得者対策や弱者対策が必要である、と。子育て・社会保障対策として、宮本太郎氏(中央大学教授)は、子ども子育て支援と若者層の支援を厚くすることで、経済成長を支える社会保障を築けるよう提言しています。 また消費増税は医療従事者や患者層にも影響があるようで、医療機器購入に税負担がかかるため、病院経営を圧迫させる危険性をはらみ、日本医師会側からは、診療報酬の引き上げを提言されています。このことは、患者の負担金にも直結する問題です。 こうした世の中の動きを知ることは、将来を見極める大切な材料です。 日経新聞に毎月連載される「私の履歴書」は、今月はオリックスの宮内義彦会長が取り上げられています。 オリックスは、来春に創業50周年を迎えるそうですが、今日まで、長期ビジョンをもって進み続けてきたというのでは決してなく、目の前にあらわれる問題に没頭し、いつの間にか半世紀が過ぎていた、とのことです。 私たちも、これからの医療介護がどうなるか、を考えながらも、まずは目の前に起こっている出来事や、身近で援助している人たちに対して、誠意をもって取り組みつづけることが、今最も大切な使命なのかもしれません。 平成25年9月1日 理事長 山口 浩志 |