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〜教えの師〜 (平成25年4月) |
春陽麗和の季節となりました。スタッフの皆さまには日常の業務でのご活躍に心から感謝いたします。 さて、1年後の2014年には団塊世代の700万人全員が前期高齢者に突入いたします。そして、12年後の2025年には、その全ての高齢者が後期高齢者となり、その時はわが国に3700万人の高齢人口が出現する時代がきます。これほどの巨大な高齢者人口塊が出現するのは世界でも初めての経験となるだけに注目されているようです。先月3月29日付けの朝日新聞社説によりますと、国立社会保障・人口問題研究所が5年ぶりに「地域別将来推計人口」を発表したとありました。75歳以上の人口が占める割合だけをみれば、2005年には30%を超える都道府県はひとつもないが、2020年には、31道県、2035年には44都道府県44都道府県になるそうです。もちろん徳島県では2020年の段階で到達するようです。 そんな中でこそ、地域で踏ん張る努力が必要となるでしょう。たとえば、今後の若い世代が定住しやすいしくみづくりや、多様な産業がそれぞれの枠を超えて連携できるシステムが必要です。 そこで大切な視点として、厚労省も掲げている地域包括システムではないでしょうか。人口1万人人規模の中学校単位で、医療・介護・見守り・買い物など、様々なサービスが地域の起業から提供される高齢者向けサービスモデルが地域経済の要ともなり得るでしょう。 総務省や経済産業省では、それらを情報技術の上で支える「地域包括ケア・クラウド」という取組みを考えているようです。すなわち、高齢者見守りや配食、買い物、安否確認など、インターネット経由で支援する情報サービスです。 昨年、海外研修で訪ねたオランダでは65歳以上の高齢者に対して、インターネット操作は生きていく上での必須条件として進めていました。 徳島市から受託している「元気高齢者づくり事業」で、ある地域の体操教室を訪ねた際、参加されていた90歳の女性が、「最近 携帯電話でメールを覚えて、孫やひ孫と連絡するのが生きがいなんです。」という声を聞き、感動したことがありました。 京セラの稲盛和夫会長の言葉に、「平凡な師は指導をし、優れた師は範を示し、偉大な師は心に火をつける」と言われています。90歳の女性からの言葉は、まさにたるんでいた私の心に熱意の火をつけていただいた師でした。 やはり地域の身近なところに私たちの教えの師がいることに改めて感謝し、これからも元気な事業所として育てていきたいと願います。 今月も力を合わせてがんばりましょう。 平成25年4月1日 理事長 山口 浩志 |