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〜「食」を考える〜 (平成25年3月) |
木々の緑、日ごとに色めく季節となりました。スタッフの皆様、日頃の業務ではご活躍に感謝します。 先日徳島新聞に、厚労省が発表した都道府県別の平均寿命が掲載されていました。全国平均は、男性が79、59歳、女性が86、35歳で徳島県は男性が平均寿命の延び幅が1.34歳で、全国2位だそうです。 ちなみに、平成寿命の男性のトップは、長野県で、5回連続(5年ごとの調査)トップの80、88歳。また、女性も同年が87、18歳で、前回の沖縄県を抜き、初めて1位になったとのことでした。 長野県では、「食改さん」という活動があるらしく、厚労省の指定する健康講座を受講した食生活改善推進委員さんたちが、健康増進のための活動をし、生活習慣病予防に熱心に取り組まれているそうです。 ホームヘルパーという在宅介護に関する言葉も長野県で生まれたほど、家庭介護にも活発に取り組まれてきた歴史があると聞きます。 やはり、「健康で豊かな食生活」の実践が重要なことかもしれません。そのためには、味覚や嗅覚、触覚など、美味しさをきちんと味わう五感の機能を活かしたケアを心がけることが大事なことになるでしょう。 白土三平氏の有名な漫画作品に「カムイ伝」がありますが、その中で老オオカミが若いオオカミとの戦いで牙(歯)を失い、息絶えていくシーンがあります。 幸いにも、人間は歯を失っても義歯を入れれば噛むことができるし、また口から食べられなくなっても、経管栄養という手段で生き永らえます。 日本歯科医師会長の大久保満男先生は、「人間は死ぬまで食べ続ける生き物で、人の尊厳を守ることにもなる」が持論だと聞きます。 ご高齢者や認知症の方の「食べる」を支えるケアを、今一度考えてみて、今後の私たちの取り組みに活かしていきたいものです。 平成25年3月1日 理事長 山口 浩志 |