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〜先人の教えを継ぐ〜徳島の福祉を担ってきたお2人から学ぶ〜〜 (平成24年12月) |
本年も残り少なくなり、やがて師走の風が吹きわたる時期となりました。スタッフの皆さま におかれましても、公私共にお忙しくされておられることと思います。 本年は、私の周囲でお二人のお世話になった方ががんでお亡くなりになられました。 お1人には、徳島県介護支援専門員協会創設以来、会長を務めてこられた大塚智子氏です。 私も協会役員として末席で活動させていただいておりますが、協会全体や理事個人個人それぞれ を支えておいでました。大塚氏はどんな時でも笑顔を絶やさず、いつも周囲を和ませてくれた、 いわば協会の母でした。 またもうお1人に、木谷宣弘先生がいます。個人的なおつきあいをもてた方ではありませんが、 会うといつも「おっ!いつもようがんばっとりますね!」と必ずお声をかけていただいておりま した。木谷先生の理念は、「自由・共感・愛」でした。また、どんな時もあきらめず、全てがで きなくとも、その時の最善策を考えればいいんだ、が持論だったそうです。 この理念をもって、全国で初めて善意銀行を立ち上げられたり、全国の市町村にボランティア 推進センターを設置されたりと、いわば福祉の父でした。。 大塚氏、木谷氏共に共通することとして、常に新しい道を開拓されてきたこと。そして、その プロセスで課題が立ちふさがったとしても、真正面からぶつかる勇気を失わなかったことでしょ う 元リッツカールトンホテル支配人の高野登氏は、人生はボクシングのリングに似ている、と 言います。互いに意見をぶつけあうことで、感情や感性、心の筋肉が鍛えられるのだ、と。 そうすることで、普段から心の筋トレができ、「しなり」や「受け止める力」、「我慢」が身につ くそうです。問題は、意見をぶつけ合える環境が個人としてあるかどうかが大切なことだと思い ます。 さて、がんは昭和56年より死因第1位となっており、今では年間約30万人以上の方ががん で亡くなられているそうです。罹る可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と推計され、 わが国にとってみれば、「国民病」といっても過言ではないでしょう。 また、先日11月25日付けの日経新聞の記事によれば、65歳以上の高齢者の1回あたりの 推計入院患者数は、2011年に91万4900人とあり、2008年から2%減だそうです。 また、外来数は過去最多を記録しているそうで、在宅医療へのシフトが浮き彫りになった形です。 国の経済情勢や医療制度がめまぐるしく変わりゆく中において、今徳島の福祉を担っている 私たちは、二人の偉大なる先輩方からの教えを受け継いでいくためにも、心の筋トレを怠らず、 鍛錬していきましょう。 平成24年12月1日 理事長 山口 浩志 |