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〜時代を生きる〜孔子の教えから学ぶ〜〜 (平成24年8月) |
炎暑のみぎり、スタッフの皆様には毎日のご活躍に心から感謝しております。 ロンドンオリンピックが開幕され、日々の熱戦に不眠も忘れるほどに観戦に力がこもる今日この頃です。 一方、皆様もご存じのとおり、滋賀県大津市の中学生のいじめ問題には、腹立たしさと悔しさ、落胆が隠せません。 最近のニュースによりますと、日本人女性の平均寿命のデータが発表されておりましたが、1985年からダントツ世界トップの座を日本人女性が守り続けていたところ、2011年に27年ぶりに香港に抜かれ、2位になったとの事でした。 厚生労働省によりますと、20代の自殺や肺炎による死亡が増加したことも要因になっていると予測されております。どうやらWHOの「健康で長寿」の推進を掲げている理念とは逆行した趣があるようです。 対人援助サービスの仕事をしている私たちは、命と向き合う毎日です。ことに、終末期やターミナルになりますと、命を支える、命に寄り添う、そして命を学ぶという場面があります。しかしながら、今後は現代の社会で教育を受けて育ってきた子供たちの中からも、この仕事を選んで働きだす人たちも出てくるでしょうが、これからは命を支える人たちを支えなければならないだろうし、命に寄り添う人に寄り添っている人が必要で、そういった人たちからたくさんのことを学ばされることと思います。 孔子は「人間が道をひろめるのだ。道が人間をひろめるのではない」と言っています。ま た「一日師匠」の教えも説いています。ある一日の一瞬で聞いたひと言が、一生の忘れられない言葉となることがあり、人と人との人生を決定づけることにもなると教えています。私が“どりーまぁ”を立ち上げて間もない頃にある利用会員さんで、亡くなられたご主人のお墓参りに毎月移送サービスで支援させていただいていた方がいらっしゃいました。 その方からある時、「私が寝込んだらあんたに頼むけん、それまでがんばりなはれよ」とお声かけいただき、勇気づけられたことがあります。そして実際にその方の担当ケアマネとなり、ご自宅での看取りまでかかわらせていただきましたが、今でも忘れられないご利用者のおひとりですし、一生忘れられないお言葉です。 毎日の出会い、未来の出会いの中でこうした教えを大切にしながら、接遇に臨んでみてください。 平成24年8月1日 理事長 山口 浩志 |