例年にない厳しい寒さが続いておりますが、新春のお慶びを申し上げます。
今年の干支は癸(みずのと)卯(う)年です。うさぎは跳ねる特徴があるため、景気は上向きに跳ねて回復すると経済界ではいわれます。
「全世代型社会保障構築会議」報告書では論点整理が示され、こども・子育て支援、働き方に中立的な社会保障制度、医療、介護制度改革、地域共生社会の実現の4本柱となりました。また介護保険制度では、地域包括ケアシステムの深化・推進やサービス提供体制の整備、給付と負担の見直し、介護人材の確保を課題と指摘。医療ニーズの高い要介護高齢者が在宅で生活できる介護サービス提供体制の整備やケアマネジメントの質の向上、総合事業の受け皿整備・活性化等をあげています。 一方、支えての社会全体における割合では、生産年齢人口(15歳〜64歳)が、総人口に占める比率は、実際に働いている人、つまり就業者数は2015年頃から後に回復して、2021年の総人口比では約3ポイントの上昇がみられたようです。社会保障が目指すべき最重要の方針は、人々が支え手として無理なく社会に貢献できる仕組みを構築することです。そういう意味では、全世代型社会保障構築会議でまとめた「国の存続そのものにかかわる問題」として少子高齢化を最優先にしたことは大きな一歩でしょう。今後「時短勤務」への給付創設、やりがいとキャリアアップの仕組みといった制度設計には期待がかかるところです。 今、福沢諭吉が書かれた「学問のすすめ」に注目が集まっています。例えば「この信疑の際につき必ず取捨の明なからるべからず。ただし学問の要はこの明智を明らかにするにあるものならん」とあります。これは混沌として先が見えない時、出口のない悲観論や根拠のない楽観論が私たちの考え方に影響を受けがちだが、信ずるべきは誰が言っているかでなく、私たし自身の判断する力が必要である。そして、これを養うものこそが現実の社会や暮らしと向き合う「学問」であるという教えです。「学問」とは学校を卒業して終わるのではなく、実践から得る学びこそが重要ということです。今年も一年、様々な実践現場からの学びを財産として、夢のもてる法人運営にしていきたいと思います。
令和5年元旦 理事長 山口浩志
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