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〜逆風の時代こそ力を尽くす〜 (令和4年12月) |
早いものでもう年の暮れとなりました。関係者各位におかれましては日ごろからご協力ご指導を賜り心から感謝申し上げます。 創立100周年を迎える伝統ある日本商工会議所の舵をとる小林健会頭は、全国123万社の中小企業の会員の声に耳を傾け政策提言につなげる役割を務めています。昨今では資源や原材料価格の高騰や円安で経済環境は厳しく、取引価格の適正化に向けた環境整備に力を入れています。彼の信条は商工会議所を創立した渋沢栄一氏の「逆境のときこそ、力を尽くす」で、今こそ行動と自己改革をおこすときだと、会員向けのメッセージを発出されているようです。 さて、小学校入学前の0〜5歳児が死亡するなどした過去15年間の虐待事案の231件のうち、保育所や幼稚園に通ってなかったとみられる子どもが6割を超え、親子の孤独が背景の一つにあることが判明しました。未就園の子どもは「無園児」と呼ばれ、厚労省の検討会では「保育園などを利用していない「孤育て」を強いられている」とし、孤独が虐待にも影響していることが指摘されています。 厚労省白書では、2013年に約2万4千カ所だった保育施設は、今春には約3万9千ヵ所に増加したことでピークの17年に2万6081人だった待機児童は、今年4月には2944人と、9割近く減少しています。その反面、全国で約30万分の「空き」があり、また特定施設入所できないなどの「隠れ待機」が今も6万人いるそうです。 空き施設を子育てや育児の相談事業の場として、活用するなどの「多機能化」を考え、受け皿を拡充しようとしていることは、隠された層の人たちの発掘にもなり、期待できるのではないでしょうか。米国の雑誌「エイジング・US」に掲載された記事に精神が体に及ぼす影響として孤独感や絶望感などが全身の退化を早めさせることが発表されています。 全世代をあげてケア体制を先延ばしにせず、次の一手をうつことで、解決の糸口になることは明白の理です。 過去においても時代の節目には、歴史上の先人たちは信念をもって行動し、築いてきたように、今後は私たちから新しい福祉の形が創れるよう、力を尽くしていきたいと思います。 令和4年12月1日 理事長 山口浩志 |