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〜タスクシェアの考えを取り入れた経営を考える〜 (令和4年7月) |
暑さが厳しい季節となりました。関係者各位におかれましては日ごろからご協力ご指導を賜り心から感謝申し上げます。 「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし。」鴨長明の『方丈記』からの有名な言葉です。生命は絶え間ない流れのなかにあり、いっときもとどまることなく更新され続けることを意味します。 政府の全世代型社会保障構築会議が中間報告をまとめられました。高齢者人口は2040年頃に、3900万人超とピークを迎え、社会保障にかかる費用が大きく膨らむ見通しです。一方で、制度の支え手となる生産年齢人口は、現在の7500万人から40年には6000万人以下に減ると推計されています。子育てや若者世代への支援が大きな課題と強調されています。 また先日「高齢社会白書」2022年版が公表されました。これは、昨年12月に65歳以上を対象に調査しておりますが、2049人からの回答では、65歳以上の高齢者のうち、「生きがいを感じている」と思う人は7割で、「感じていない人」が2割だったそうです。中でも近所づきあいや交友関係がある人ほど「生きがいを感じている」と答えています。 一方では子育て世代の問題として、児童虐待が絶えません。2020年の虐待件数は、過去最多の約20万件で、一時保護も約4万8000件にあがっているようです。本県では、徳島県警が昨年1年間で児童相談所に通告した虐待を受けた子どもの人数を調べたところ472人と、統計を取り始めてからの最多となっているようです。 今後は中学校教員が異変に気付いたときは、スクールカウンセラーや、専門家を通じて行政の支援につなぐなど、地域での取り組みが大切になると思われます。 このように、医療福祉にこだわらず、教育の現場でもタスクシェアの考えが進められています。すなわち、異なる分野や多職種間で担うタスクシェアの考えで進めることは、限られた人材で効率的に支援が提供できる取り組みになりえるでしょう。 時代とともに絶え間なく常に新しいやり方を模索しながら更新されていくことで、地域でも組織でも命を育めるよう努力を積み重ねていきたいと思います。 令和4年7月1日 理事長 山口浩志 |